奪い合い勃発
「琥珀、こっちおいで。ちゃんと僕に説明してや。何で琥珀の斬魄刀が光之君がこないことなってんの?」
「う、うんっ…あのね、」
『ちょっと待ってよ、なんで琥珀が市丸ギンの膝の上に乗ってるのさ』
「え?」
ギンに説明しようとしていた琥珀は光之君の言葉にきょとん、と目を丸めた。…彼が指摘した通り、琥珀はギンの膝の上に乗り、向かい合っている。そのことが気に触ったようだ。だが、ギンはへらっと言いのけた。
「何でて、当たり前やないの。琥珀の特等席はここやもんなぁ?」
「うん?」
『そんなの駄目に決まってるよ、俺が許さない』
「…駄目なの?」
『うん、駄目』
光之君の口から駄目だと言われ、琥珀は困惑しつつも言われた通り、ギンの膝から降りようとする。…が、それをギンが簡単に許すわけがない。
「わぁ…!?」
「琥珀はこんでええんよ、こない斬魄刀の言葉なんかに耳傾ける必要あらへんよって」
がしっと琥珀を捕まえ、離さないようにしてしまう。いきなりのことだったので琥珀は驚きの声を洩らした。…しかし、ギンのその行動がまた光之君の機嫌を悪くさせた。
『何言ってんの?駄目に決まってるじゃん。琥珀はまだ嫁入り前の身なんだから、こんな得体の知れない男に気を許すなんて危険すぎるでしょ?』
「??光之君の言ってること、わかんないよぉ…」
ペラペラと早口で話す光之君の言葉に琥珀は情けなさそうに首を傾げる。しかし、光之君はそんな彼女に優しく笑い掛け、彼女の頭を撫でた。
『琥珀はいいんだよ、わからなくて。俺が傍にいれば万事問題無しだから。…けど市丸ギン、お前はそういうわけにはいかない』
「何やの、その目。斬魄刀如きでそない態度取ってええと思うとるん?」
『俺の主は琥珀だからいいんだよ。それより市丸ギン、いい加減琥珀から離れろ!!』
「嫌や!なんでそないこと、君に指図されなあかんのや!!」
『決まってるだろ!?琥珀への悪影響だからだ!』
「何やて?」
「だ、駄目だよ…!みんな仲良くしなきゃ…!」
一気にギンと光之君とのやり合いが勃発してしまう。慌てて琥珀は二人の間に入ろうとするも、二人は聞く耳を持たない。
「琥珀は黙っとき。ここは退くわけにはあかんわ」
『琥珀は黙ってて。大丈夫、俺が琥珀を守ってあげるから』
「……うー…二人ともー…!」
…結局、説明するどころか喧嘩を止めることに必死で…二人が喧嘩を止めたのは、たまたま遊びに来た乱菊が仲裁に入ってからなのであった。
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