その瞳の真意は
「もう、何やってんのよ、あんた達二人は!二人の間に挟まれて琥珀が可哀想じゃないの」


「せやかて、こいつが悪いんや。琥珀琥珀て、斬魄刀のくせに馴れ馴れしいわ」


『馴れ馴れしいのはそっちだろ?俺と琥珀には切っても切れない関係があるんだよ。お前なんかすぐにプツンと切れちまうような繋がりじゃないか』


「何やて!?」


「あーもー!何熱くなってるのよギン!らしくないわね」


「琥珀のことやと話は別や!」


「けどそうやって二人が揉めてると話が進まないじゃない。少しの間黙っててよね」


『そ、それは…』






どれだけ言い合っても、気が済まないのはお互い様なのだが…乱菊の言うとおりこれではいつまでたっても話が進まないのも事実。ギンと光之君がちらりと視線をやれば、困ったように、情けなさそうに眉を寄せ、今にも泣きだしそうな琥珀の姿があった。







「…ううっ…二人とも、喧嘩ばっか…」


『ちょ、琥珀!?』


「…琥珀の話、聞いてくれないっ…」


「ああ!ごめんな琥珀!僕が悪かったさかい、お願いやから泣かんといて!!」


『ご、ごめんよ…琥珀!!』






琥珀の大きな瞳がうるうると潤んでいくのを見ると、ギンと光之君は慌てて謝罪の言葉を繰り返す。何とか必死に泣くのを堪えながらも、琥珀は今一番自分の味方になってくれるであろう乱菊の背後に回り、しがみついた。






「…っ乱ちゃん…」


「…大丈夫よ、琥珀。そんな不安そうな顔しなくても。それで?なんで光之君は具現化してるの?」


「…ネムちゃんに、頼まれたの…新しい実験のためだって…」


「だそうよ」


「…ほんま、十二番隊さんにも困ったもんやわ。琥珀の優しさに付け込んで…」


『俺にとっては好機だったけど…琥珀を取り戻すチャンスだから』


「…何言うてるん?」


『…琥珀は俺が守る。だからもう、お前なんていらないんだ…市丸ギン』






先程とは違う声色で言い放つ光之君は乱菊から引き離すように、琥珀を自分の方へ抱き寄せる。ぎゅう…と背後から抱きしめてくる光之君の様子に琥珀自身、首を傾げたが、彼が何を考えているのか全く予想つかなかった。






『これからは俺がこうして、琥珀を守ってあげるよ』


「…光之君…?」







ただ、光之君がほんの少し…悲しげな瞳を浮かべていることだけは…察することが出来た。


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