愛の数だけ幸せを

「…ほんま、大きゅうなったなぁ…」


「え?」






琥珀を抱き抱えるギンが零した言葉に、琥珀は首を傾げた。







「琥珀と出会ったときは僕かてまだまだ子供やったけど、琥珀の成長ぶりには驚かされるわ」


「…んー?そう、なの?」


「せやかて、まだあどけない風にしか口きけへんかったよって」


「…琥珀、話せたよ?」


「こないペラペラ話せてなかったんや」






自分の成長過程など、自分自身でわかるはずないが…他人の目から見れば一目瞭然のこと。未だに幼くあどけなさこそ残してはいるが、数年経てばそれも消えてしまうのだろう。年相応の女性へと変わっていってしまうのだろう。





「…ほんまここまでよう手出さんと我慢したもんや、僕」


「手?」


「自分で自分のこと褒め称えたいくらいや」





幼い彼女に邪なことをすれば、直ぐ様乱菊からの拳が飛んでくることになるだろうが。






「…何や、僕複雑なんよ」


「複雑…?」


「早う琥珀が大きゅうなってほしいと思うのと同じくらい、まだ大きくならんと僕の世話になってればええのにって思うんよ」


「…琥珀は、早く大人になりたいよ?」


「そうなん?」


「うんっ」





ギンの問いに琥珀は目をキラキラ輝かせながら頷いた。







「だって、そしたらギンちゃんにちゅーしやすくなるでしょ?」


「…琥珀…」


「琥珀はギンちゃんのこと大ー好きだから、もっといっぱいちゅーしたいよ?だから勇ちゃんとか、乱ちゃんとか羨ましいのー」


「…あないいろんなところが成長してもたら、違う意味で厄介になるんとちゃうか」


「…?ギンちゃん、何か言った…?」


「…いや、何でもないで」






琥珀の言葉に一瞬驚きを隠せなかったギンだが…彼女の言うように成長してしまったら今まで以上に厄介になるだろう。嫌な虫が彼女の周りにまとわりついてしまうではないか。






「…せやけど、乱菊みたいになったらもうこうやって抱っこしてあげれんよ?僕」


「…っや、それはやだー…!」





少し意地悪を口にすると、瞳を潤ませながら僕にしがみついてくる琥珀。ぎゅう、と離れないとでも言うかのように。…心配しなくても、嫌でも離してあげないというのに。






「…せやから琥珀はゆーっくり大人になり?ちゅーやったら、僕が沢山したるさかい」


「…へへ、ほんと?」


「ほんまや、僕、琥珀には嘘つかへん」





そう言ってるそばから、ちゅっと彼女の小さな唇へ口づける。すると琥珀も嬉しそうにはにかんで見せた。






「……ギンちゃん、」


「何や、琥珀」


「あのねぇ…だーいすきっ!!」

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