きっと寿命は半分に
昨日、自分は何をしてしまったのだろうか。
ぼんやりと立っていれば、ふと走馬灯のように昨晩のエレンが頭に登場し、顔を染め、忘れようとする。
そんなことを今朝から何度したか。
昨日の夜も眠れるはずはなくて、少ない睡眠時間のなか、これから始まる立体機動の訓練は体に悪い。はあ、とため息をつけば、後ろから何かに突進されグラりと体が傾いた。
「よお、──!昨日の夜はどうだった?まさかとって食われちゃいねえよな?」
「いやー、いい事したなあ」と豪快に笑うユミルに──は、その少し上にある肩を掴んで大きく揺らした。
「ユミル!!なんてことしてんの、ほんとに!!」
考えないように、としていたがユミルによって昨日の出来事が鮮明に思い出して、ボッと顔が染まった。
そんな──を見てユミルは一瞬止まり、すぐに口角を上げた。
「なんだよ...そんな赤い顔しやがって、絶対なんかあったんだろ...私が会わせてやったんだから聞く権利くらいあるよなぁ?」
ニヤニヤと頬を緩ませて、──の肩を抱いたユミルに、「別に何も無かったから」と伝えたが、嘘だろと一刀両断されてしまう。
「てか、頼んでないから!!ほんと、最初はお化けかと思ってほんとに焦ったし...」
「なんだよ、何があったか言ってくれねえのかよ」
「何もないからいいませーーん」
「それならエレンに聞くか」
「え」
キョロキョロと辺りを見回したユミルの視界に入ったのは、タイミングよく外へ出てきたエレン。
ビクリと体を硬直させた途端に、ユミルは大きく手を降った。
「おーーーーーい!!エ」
「わあああっ、!!!ユミル!ちょ、ちょ」
「なんだよ」
ユミルの腕を力強く引っ張り、──のほうへと体を向かせれば、邪魔すんな、と言っているような顔と目が合う。
「言う!言うから!静かにして!」
「最初から言えばいいんだよ。別に誰にも言わねえよ、私が楽しめれば」
「楽しめればって...、別に、エレンとハタキ探してただけだから!!」
「ほぉ〜〜?」
エレンに聞いたら、全て話してしまいそうな気がして、観念してユミルの耳を呼んで近付いてもらった。
より一層ニヤけたユミルに、なんでこんなこと言わなくちゃいけないのかと羞恥心が心の中からもわりと出てきた。
「もうこの話やめよ!ほら訓練始まるから!」
「そんなこと言っちゃって?お楽しみだったんだろ?な?」
ツンツン、と──のほっぺたを軽くつつくユミルに、もう一度顔が赤くなったのを感じた。
「おい!!そこ、何をニヤニヤと話している!!なにか面白い事があったのなら今みんなの前でも話してみろ」
耳を震わせるほど大きな声でキース教官に指を刺されば、先程とは違う心臓の早まりが起きる。すぐに姿勢を整えて大きな声で返事をすれば、教官はフンと鼻を鳴らし説明を行った。
ユミルのせいで怒られたんだぞ、という意味を込めて隣のユミルをひと睨みする。そんな──をユミルは、再びニヤけた顔で小馬鹿にするように、フンと鼻を鳴らした。
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