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 「兵長、ここ座ってもいいですか?」

食堂で夕飯を食べているリヴァイに──は、我先にとちょうど空いていたリヴァイの前の席へとトレーを置いた。

夕飯に限らず──はご飯の時間にリヴァイを見つければ、真っ先に近くに居座った。もちろんリヴァイの許可をとってから。

毎日のようにそのやり取りをやっていればリヴァイは段々と返事をせずに、座っていいか問いかける──に目線だけ寄越した。
そうして嬉しそうに腰を下ろす──は、もはや毎日の日課である。

「ん、美味しい!」

夕飯のスープを1口ごくりと飲み込めば、暖かいスープがじんわりとお腹を暑くした。

栄養面を考えたその野菜スープは、玉ねぎは甘く、じゃがいもはゴロゴロと大きめに切られてあり普段のスープより豪華に見えた。

「兵長!このスープすっごく美味しいから飲んでみてくださいよ」

そう前に座っているリヴァイに声をかければ、リヴァイは言われた通りにスープに手をかけた。

「ああ、よく出来てるな」

「そうでしょう!」

「おいお前が作ったみたいにいうなよ」

隣にいたオルオが──に反論した。
そんなオルオに当の本人である──は、ただ嫉妬されたのだろうと思い気にせず残りのスープに口つけた。

──がリヴァイの席へといけば、その──に続いてオルオやグンタ、エルドにペトラ、リヴァイ班のみんなは着いてくることはしばしばあった。
そんなみんなに──は最初こそリヴァイとの食事に水を差され頬を膨らませていたが、今ではそれにも慣れて賑やかになり嬉しいものである。

訓練のことや、くだらない話のこと。色んな話をしていれば話は尽きない。

「そういえば兵長。──が今日の訓練でヘマしやがって、叱っといてくださいよ」

「ああ?」

「ちょ、その話はいいから!!」

美味しく食事をしていたところ、オルオが発せられた言葉に──は頭を急いで上げた。
そんな──にオルオは口角を上げて、どうだと言わんばかりのドヤ顔を見せた。

どうも──とオルオはリヴァイ好きという折り紙付きのそれは、お互いを牽制しあっている。
そんな2人にリヴァイはもう慣れたのか、あまり反応はしない。

主に──がリヴァイに話しかけ、それにオルオが首を突っ込む。兵長と話したいのに!と──が口をとがらせる。
そんな3人が兵舎内で見られることは多々あった。



「あ、俺は先に部屋戻りますね、兵長」

「ああ」

がたりと席を立ち上がったオルオはどうやら食べ終わったらしい。カラになったトレーを持っていき、そんなオルオに──は「また明日ね」と声をかけた。


「そういえば兵長!ちょっと、お昼のあと女の子から手紙もらってましたよね!...あれ、ラブレターですか?!」

お昼の光景が鮮明に思い出され、──は興奮気味にリヴァイへ問いかけた。
リヴァイのかっこよさから、ライバルは五万といるだろうと考えている──には気が気じゃなかった。
握りこぶしを作っている──に比べ、リヴァイは動じずに紅茶を啜った。

「...」

「まさか...沈黙は、肯定ってことなんですか...」

眉をこれでもかと下げてしょぼくれてる──にリヴァイは一目した。

「...あれはエルヴィンへの手紙だ。今日はエルヴィンが留守だったからな」

そう告げたリヴァイの言葉を聞いて、先程とは比べ物にならないほど──は顔を輝かせた。

良かった、と連呼したいところだがそうすればうるさいと怒られるだろう。
──は密かに喜んでいるつもりだが、その緩んだ顔を見れば嬉しそうなのが誰が見ても丸わかりだろう。

「...──よ。口を動かすのもいいが手をあまり休ませるな」

「え?あ、はい!」

リヴァイに言われ──がちらりと周りを見れば、もうほとんどの人は食べ終わり部屋に戻ったらしく、数えられる程度しか残っていなかった。
そんな食堂を見て、──は焦って自分の食事へと手をかけた。

「あれ、兵長」

リヴァイの手元を見れば、もう食事は済ませているようで、何も乗っていないそのトレーを見れば完食しているのは一目瞭然だ。なのに部屋に戻らないリヴァイに──はきょとりと目を丸くした。

「なんだ」、と紅茶を飲み視線を落としたリヴァイに──はにんまりと口角を上げた。

「...なんでもないです!」

もしかして自分が食べ終わるのを待っていてくれているのか、その考えが思い浮かべると──が笑顔になるのは時間がかからなかった。