終わりはいつもこんな感じ
「たぶんこの辺りまで2人の残留思念残ってるんだけど〜。」
「そうね。急に思念が途切れてるけど・・・。」
「どっかに落ちたんとちゃう?」
薫と東野を探しにきた3人は当てもなく森の中をさまよっている。
「あの、ちさとちゃん。さっきはごめんなさい。」
「せや、なんか仲間外れみたいな感じにしてもーて、」
「え、あ。ううん!大丈夫!私がショック受けると思って言わないでおいてくれたのよね。」
森の中を歩きながら、紫穂と葵はおもむろにちさとへと頭を下げた。
ちさとは目を見開くと両手を体の前で振った。
自分で言っているようにもうあまり気にしていないのだろう。
「あ。この下からなんか聴こえる。」
「どこ!?!?」
温和だったちさとちゃんの表情が一変して地面に耳を傾け始めた。
なまえの言う通り、地面の下からはなにやら楽しそうな声が響いている。
「掘って!!早くっ!!この下よ!?思念波がかすかに聞こえるわ!!」
「地下・・・・!?」
「・・・たしかに何か大きな建物が埋まってる。なんだろこれ。」
「(・・・まあ、例えるなら税金の無駄遣いってやつだろうね。)」
こっそりと透視んで地下の建物の正体を察したなまえは遠い目をした。
突如、地面が揺れる。
4人が立っていた側の地面が徐々に盛り上がっていく。
「!?」
「なに!?」
中から現れたのはなぞの建物であった。
円状のその建物は最新鋭の設備らしく頑丈そうな素材とよくわからない機械でできあがっている。
「あ・・・あれ?」
「ちさと・・・・・!?」
「東野くん!?」
「薫ちゃん!!」
6人が驚いていたのもつかの間、建物の奥から誰かが出てくる。
「・・・ったく、最近の若い者は!!揃いも揃って有休だの病欠だのと理由をつけて、この私の命令をきかんとは・・・!!国の宝の監視は常に必要なのだ!!遠足といえども例外では・・・って、ああ!?」
「局長!?」
「何コレ!?バベルの秘密基地!?」
「いや、コレは・・・・!!」
「もしかして・・・今日のためにわざわざ作ったとか・・・?」
「い、いや、ちがうヨ!何言ってるのかナ!?」
高度迷彩スーツを着た桐壺にみんな唖然とした表情で次々と疑問を口にした。
そして、薫が、ふと地面に目をやると。
「!!こんなところにお弁当・・・!ーエレベーターのミゾにはまりこんでたのか・・・!!どーりで−−−−」
「つまり全部・・・。」
「局長が原因?」
「い・・・いや、あの・・・君たち!?」
チルドレンたちの冷たい目線に晒されて、局長は冷や汗が絶えないのであった。
「ねーねー、なまえちゃん、これって・・・。」
「あー。『皆本たちが来てくれて上手く説明するから気にしなくていいよ。』」
「・・・へー、そうなの、わかったわ。」
「(友達に催眠能力使うの嫌なんだけど・・・まあ、今回は仕方ないか。)」
ぽーっとした様子のちさとと東野を見てなまえはため息をついた。
なまえの催眠能力で、なまえの説明にちさとと東野が違和感を感じないようにしたのだ。
2人ともそう信じたいと思っているからそんなに大した催眠ではないが、なまえにとって友達に催眠能力を使うのは悪いことをしているようで気がひけるのだ。
「色々あったけど、結果的に楽しかったしいっか。」
一つ息をはいて、皆本と柏木がきて事態が収束するだろうことを予想してなまえは口の端をあげた。