とある彼女の運の悪い日




「名前〜!」

「う、う〜。」



薫は助走の勢いのまま、名前の眠るベッドへと飛び込んだ。

名前は苦しげに少しだけ呻くと、もぞもぞと布団の中へ逃げようとする。



「起きろよー。名前〜!」

「うーやー。」



薫は根気よく揺すり続けるが、名前の起きる気配はない。

嫌だと小さく否定するだけだ。



「起きないってことは・・・・・何してもいーってことだろ?」



薫の口元が怪しく笑った。

お約束、お約束と訳のわからないことを連呼しながら名前に近づいてゆく。



「っ!ひゃあ!!」

「やっぱ発育いーなぁ!!」



薫の手が名前の胸を捕らえた。
驚き跳ね起きる名前。

薫の表情はオヤジそのもの。
しかもいやらしくてウザい感じの類である。



「ちょ、待って、か、おる!!」

「にゃー!!」



名前の念動力により飛ばされる薫。

名前の顔は非常に真っ赤である。



「あ、朝から何してんの!?」

「いや、だって起きないから・・・。」

「起きないからってセクハラ禁止!!」



怒りなのか何なのか以前、顔を赤くしたままの名前。

薫は悪びれもなく頭をかいた。



「まーまー、落ち着けよ。名前。」

「!?きょう、っちょ!」



突如、名前の背後に表れた兵部。
そして即座に兵部は名前の腰に腕を回した。

先程とは違う意味で赤く染まる名前の顔。



「薫、悪いけど名前は僕のだから。いくら君でも許せないなあ。」

「ちょ・・・っ!ん、や!」

「名前、隙だらけだぜ。」



耳元で喋る兵部。

口を一線に結び、堪えるように目を固く閉じる名前。

部屋には甘い雰囲気が流れ始めた。



「そのままいけるなんて思ってないわよね〜?」

「げ!不二子さん」

「ばーちゃん!」



兵部の背後から出現した不二子により部屋の雰囲気は崩れ落ちた。

驚く薫と、至極嫌そうな表情の兵部。

名前だけは一人面倒くさそうに兵部にもたれ掛かった。

抵抗するのに疲れたらしい。



「こらそこ!言ってるそばからイチャイチャしないっ!!」

「い、イチャイチャなんてしてない!京介がくっついてくるんだよ!」

「(京介の顔めっちゃ嬉しそう・・・・。)」



不二子の発言に再び赤に染まる名前の顔。

薫は名前に抱き着く兵部の口元の緩み様に遠い目をした。



「さっさと離れなさいよ!」

「あ、」



不二子の瞬間移動能力により兵部から不二子の元へ移動させられる名前。

それが兵部の機嫌に触れたらしい。



「エネルギーならあのヤブ医者とかから吸い取れよっ!」

「わ!」

「名前のエネルギーが1番いいのよ!」

「ちょ!」

「あ!ずるい!二人とも!」



名前の右手を念動力で引っ張る兵部。

反対の左手を同じく念動力で引っ張る不二子。

体を念動力で引っ張る薫。



「い、ぅ・・・!!」

「早放せよねぇーさん!」

「あんたが放しなさいよ!」

「二人とも名前が痛がってるだろ!」



三人ともテンションが上がってるせいか、力が均衡しているようだ。

名前はちぎれそうな痛みに必死に堪えている。

しかしそれは数分と持たなかった。



「い・・・た・・・いでしょおおがあああ!!」



バチン!と何かが弾けるような音を発てて名前は三人の念動力を弾いた。



「やべ。」

「あ。」

「名前・・・?」



静かに怒気を放つ名前。



「皆なんか――――だいっきらいだああ!!」



そうして名前の能力によって三人は部屋から吹っ飛ばされていった。



―――――――――――――――――


天草様のリクエストでした!


いやーとても興奮するネタでした←
セクハラ三昧ですね!←←


参加ありがとうございました!
これからも愛を求めるマリオネットをよろしくお願いします。

/

[1/12]

リクエスト一覧/サイトトップ