彼女=俺の中心




俺は本当なら今幸せの絶頂期のはずだ。

つまりは、リア充。

なのになんで俺がこんなにイライラしなきゃいけないんだ・・・・!




「・・・・・・・。」

「・・・おい。足を揺するのをやめろ葉。」

「・・・・すいません。」




向かいに座ってる真木さんがギロリと俺を睨んでくるけど、今ばかりは怖くない。

・・・いや、まったくって訳じゃないけど。




「へぇ、君って案外器用なんだね。」

「それって褒められてるって受けとっていいんですか?」

「いいんじゃない?少佐が褒めるなんて珍しいもの。」

「いや、僕だって鬼じゃないから褒めるくらいはするさ・・・・。」




少し離れた所から聞こえてくる会話。

気に入らない。

まじで。




「だってこの鶴凄く素敵よ、名前姉さん!」

「ありがとうカズラ。」

「子供たちに教えてあげたらどうだい?」




両手の上に折り鶴を乗せてキラキラと目を輝かせるカズラの頭を、優しい瞳で名前は撫でる。

・・・・いや待て俺、いくらなんでも今接してるのは同性だ。
それに俺からしたら(紅葉姉さんを除いて)年下だし。

一人だけジジイまじってるけど。




「そうですね!じゃあ行ってきます!」

「て、すぐに行くの!?」

「名前は単純というか、なんというか・・・・・。」




本当単純ってゆーか素直ってか。
まぁそれも名前の良いところなんだけどなー。

それのおかげなんだろーけど、名前の周りにはいつも誰かが居る。

主には子供たちとか。




「・・・気になるなら話し掛けてきたらどうだ。」

「・・・・簡単にできたら苦労しねーっすよ、」




俺だって何にもしなかった訳じゃない。

というか、この恋人同士って関係になるまでだってめちゃくちゃ苦労したんだ。

毎日アピールしようにも名前の周りにはいつも障害(子供たちとか少佐とか子供たちとか少佐とか)があるし。

付き合い始める前も、今も、中々二人っきりにはなれない。




「・・・・名前!」

「?あ、はい!こんにちは真木さん!」




真木さんに呼ばれた名前がひょこひょことこっちに来る。

そんな姿も可愛いとか俺ってまじ名前のこと好きだなあ。




「子供たちの所には俺が行く。」

「へ、?え、でも・・・・・・。」

「恋人同士になれたんだろ?・・・だったら葉とも過ごしてやれ。」




立ち上がった真木さんを見上げる名前。

ちなみにその顔は真っ赤だ。
まじ可愛い。




「な、なんで真木さんがそれを・・・・!」

「・・・・見てればわかる。」




名前の頭に軽く手を置いてから真木さんは部屋から出ていった。




「・・・・・えっと、葉?」

「・・・・・・・・・・・・何。」




思ったよりも不機嫌な声が出た。

これじゃ不機嫌なことがすぐわかる。
あー俺、情けねぇー。




「具合でも悪いの?」

「違う、」

「んー、じゃあもしかして、拗ねてる?」




名前は口を一文字にして俺を見ていた。

表情はわずかに困ってるように見える。




「・・・・・・・。」




それでも黙ってる俺って男としてどうなんだろう。

困らせたい訳じゃないんだ、




「よーうー。」

「・・・・・・好きだ、」

「へ?」

「大好きだ、・・・・・だから、俺だけを見てくれよ。」




なんてダサいんだ俺。

しかも言ってから恥ずかし過ぎてまともに顔見れないってなんなんだ。




「・・・・葉、愛してる、よ。」

「ッ!!」




勢いのまま顔上げたら真っ赤な顔した名前が居た。

・・・・この場合、俺がにやけるのは仕方ないと思う。




「わ、私だって二人ですごしたりとか・・・・した、かったり・・・する、し、」




あーもー。

なんでコイツこんなに可愛いんだ。

こーして名前が笑ってるだけで、なんかもう色々どーでもいい気がしてきた。












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雨月様のリクエストでした!

葉をえがくのは初めてでしたが結構好きですね(笑)
彼の子供っぽい一面が好きです!

企画参加ありがとうございました。

これからも失った花嫁と愛を求めるマリオネットをよろしくお願いします!

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