後日談4(上)
誠凛との試合で負けてしまった緑間くんや高尾くんのいる秀徳。
誠凛に通っているわたしは喜んでいいやら悪いやら、なんともいえない心境。
黒子くんたちにはおめでとうの言葉を試合のあとに言うことはできたからよかったけど、これまで緑間くんが負けるところを見たことがなかったからどうしたらいいか分からない。
ひとりぽつんとロビーのソファーに座っていると見覚えのある人物を発見した。

『高尾くん、』
「あ、しずくちゃん。真ちゃん見なかった?」

聞けば先輩に緑間くんを探してくるよう言われて探し回っていたらしい。

『わたしも手伝うよ』
「そうしてもらえると助かるわ」

そういうわけで、高尾くんとバラバラになって緑間くんを探すことにした。


***


思ったよりもはやく緑間くんを見つけられた。高尾くんにメールを送信してから、ゆっくりと近づく。わたしに気がついた緑間くんの表情はどこか泣きそうだった。わたしは思わず足を止めた。今の彼に近づいていいのだろうか。もしかしたら、ひとりにしてほしいのかもしれない。傘なしで外に出てきてしまったために、制服が雨に濡れて重くなる。

「しずく、こっちに来るのだよ」
『いいの?わたしが行っても』
「もちろんなのだよ」

ゆっくりと近づく。ずっと外にいたのか緑間くんのジャージはわたしよりも濡れていた。優しく腕を引かれて、彼の腕の中に閉じ込められる。抱きしめられているから緑間くんがどんな表情してるかは見れないけれど、おそらく泣いているのだろう。彼のジャージを握っていた手を離して、背中をぽんぽんと叩いてあげる。
すると、縋り付くようにさらに抱きしめられる。

『緑間くん、お疲れ様』

彼から返ってくる言葉はない。黄瀬くんの次は緑間くんが泣くことになるとは。ごめんね、気の利いた言葉をかけてあげられなくて。
しばらくすると、落ち着いたのか緑間くんが抱きしめる力を緩めた。

『もういいの?』
「もう大丈夫なのだよ。すまなかった」
『いえいえ』
「次は絶対に負けないのだよ」

いつもの強気な緑間くんに戻っていてちょっと安心した。

『高尾くんがずっと探し回ってくれてたんだよ。』
「高尾に探し回られても嬉しくもなんともないのだよ」
『そんなこと言っちゃだめだよ』

うん。もう完全に通常運転の緑間くんだ。


雨のち


「真ちゃん、いつまで泣いてんの」
「泣いてなどいないのだよ!」
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