とある夫婦の1日 仕事
「そんな話は初めて聞いたのですが」
『あれ?言ってなかったっけ?』
こてんと首をかしげる目の前の彼女。
そんな彼女の後ろには、額に手を当ててため息をついているグロッシュラー長官の姿が見える。
(あぁ、長官!いつも妻が申し訳ありません!)
「話は分かりました。長官、今から至急準備致しますので少しお時間頂けますか?」
「あぁ、構わない」
『私も手伝うわ』
そう申し出た彼女に会議室の鍵を依頼すると、彼女は管理室の方へと勢いよく走って行く。
その後ろ姿が見えなくなるまで見送ると
「…はぁ」
隣に立つグロッシュラー長官が盛大にため息をついた。なんか、もう死にたい。
「ち、長官。本当に申し訳ありません。お忙しいのに」
「気にするな。彼女のあれにはもう慣れたからな」
長官が私の肩をポンと叩く。
私の妻はいったいどれだけグロッシュラー長官に迷惑を掛けているのか。考えるだけでも目眩がしそうだ。
「取り敢えず、資料の準備をしなくては」
そう自分に言い聞かせ、打ち合わせの準備をするべく彼女とは反対の方向へと足を進めた。
とある夫婦の仕事
ー打ち合わせ終了後ー
『あ、グルス!』
「ステラ?何か忘れ物ですか?」
『忘れ物じゃなくて…これ!今朝、間違えて貴方の分もお弁当持ってきちゃったから渡そうと思って』
「あぁ。わざわざありがとうございます」
『今日も頑張って作ったから食べてくれると嬉しいな…じゃあ、私はこれで』
「ステラ!」
『ん?』
「今日は定時で上がれそうなんです。一緒に帰りませんか?」
『うん!グルスと一緒に帰る!』
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