きみがすき!4
メールを返してはすぐに、もう1人の方からのメールを受信するケータイ。休む暇など与えないといった感じで容赦無いものだから電源を切ろうかとも思った。しかし、それでも俺がそうしないのはメールしている相手が部活仲間であり、大切な友達である手嶋と折笠だからである。
どうやら明日、ふたりで出掛けることになったらしい。「青八木くん!手嶋にデートに誘ってもらえたよ!」と折笠からメールがきたのはおよそ1時間前のことだ。折笠によかったね、とメールを返すとすぐに手嶋からもメールがきた。それからふたりは打ち合わせでもしたのかと思ってしまうくらい同じ内容のメールを送ってくるものだから、俺は苦笑するしかなかった。
今も手嶋に返信したかと思えば、今度は折笠からメールが届いた。
from 折笠 華
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青八木くん。すごく今更な質問なんだけどね。
手嶋って付き合っている子とかいないよね?
本当に今更な質問だなと思ってしまったけれど、彼女にとっては深刻な問題なのだろう。
先程までのメールと違って少し弱気な折笠からのメール。手嶋は折笠のことが好きだからそんなこと気にしなくて大丈夫、と返信してしまいたい気持ちを抑えて、慎重に言葉を選びながら文章を入力する。送信ボタンを押すとすぐに送信完了の文字が画面に表示される。ふう、と一息ついてケータイを充電器に繋ぐ。ふたりのおかげでバッテリーの残量が10%を切っていた。おそらくこの流れで行くと、手嶋も次は同じことを聞いてくるに違いないだろう。相手のことは自分たちが一番よく知っているだろうに。
まぁ、たしかに俺も1年生のときから一緒にいるからふたりのことは同じくらい理解はしているつもりだ。どう見ても(入部してすぐの1年から見ても)両思いなのになかなかくっつかないのは、見ているこちらからするとかなりじれったいものがある。そして、間に挟まれる俺の気持にもなってもらいたいものだ。頼ってくれるのは嬉しいのだが、ふたり同時は勘弁してもらいたい。
あぁ、もう。手嶋と折笠、はやくくっついてくれればいいのに。
そんなことを思いながらベッドに寝転がっていると響くバイブの音。学校から帰ってきてからこの音を聞いたのはいったい何回目だろうか。充電器の繋がれたケータイに手を伸ばして画面を確認すれば、そこには手嶋の名前。メール開けば予想通りの内容だった。
from 手嶋 純太
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誘っておいて今更だけどさ、
折笠って付き合っている奴とかいないよな?
今日だけで何度目になるか分からないため息を吐く。本当に世話の掛かるふたりだ。折笠の時と同様に慎重に言葉を選んで誤字脱字がないことを確認して、俺は送信ボタンを押した。
少しの期待とたくさんの不安
(じれったいのは嫌いだけど)
(お互いに相手のことを想い合ってるふたりを見るのは嫌いじゃない)
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