的場さん家の居候 1
制服に着替えて朝ごはんを食べるために広間へと向かうと、いつも早起きの的場さんがいなかった。
『七瀬さん、おはようございます。的場さんどうしたんですか?起きてないなんて珍しい』
「あぁ、ことりですか。的場は昨日の会合で飲みすぎたのでしょう」
『的場さんが飲みすぎるのも珍しいですね』
朝食を受け取り、ひとり黙々と食べる。
落ち着いて食べれるのは的場さんがいないからだ。
的場さんは「知らない人について行くな」とか「ひとりで学校に行けるか」とか、いつも朝から面倒くさい。ちなみに、わたしは的場さん家の子どもではない。ただの居候である。居候になった経緯は...省略させてもらいたい。
静かな朝食を終えて食器を片付けようと立ち上がると、七瀬さんが近くにやってきた。
「ことり、的場を起こしに行ってくれないかい?」
『えぇ!?なんでわたしなんですか』
「的場のご指名だ。ことりが起こしに来ないなら起きないとのことだ」
『なんですか...それ、』
「ことりに的場一門の未来がかかっているんだ。頼めるね?」
面白そうにくすくすと笑う七瀬さんを見て、わたしはため息をつきたくなった。
『わかりました。起こしてきます』
七瀬さんの「頼みましたよ」という声を聞きながら、わたしは的場さんの部屋へと向かった。
ある日の朝
『的場さん、起きてください。朝ですよ』
「起きて最初にことりを見れるなんて、幸せですね」
『朝から気持ち悪いこと言わないでください』
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