その行動の意味、分かってる?
「ちょっ!?すみれちゃん?」
『玲央ちゃん、お願い』
一緒に寝てもいい?と涙目になりながら、パジャマ姿で私の部屋の前に立つすみれちゃん。なぜ彼女が私の家にいるのかというと、今日はすみれちゃんの両親が留守にするということで心配したお隣である私の家族がすみれちゃんを預かると申し出たから。
「...はぁ。あのね、」
さすがにまずいでしょ。高校生になって、一緒に寝たら。特に私がいろいろと大変なのよ。
『ダメ?』
うるうるとした目で見上げられたらNoとは言えない。言えないけど、そこは心を鬼にしなければだめだ。
「すみれちゃん。その行動の意味、分かってる?」
彼女がわかっていないことくらい私が1番わかっている。彼女はただ純粋に、一緒に眠りたいだけだ。予想通りすみれちゃんは首を傾げる。どうしたらいいものかと悩んでいると、突然、外でとても大きな雷の音が鳴り響いた。
『ぎゃっ!』
可愛いとは言い難い悲鳴をあげてすみれちゃんがしがみついてきた。あぁ、そうか。すみれちゃんは昔から雷が苦手だった。未だにしがみついているすみれちゃんを見れば微かに震えていた。さすがに震えている女の子をひとりにするほど、私は酷い人間ではない。よしよしと頭を撫でてあげる。
「しょうがないから、今日は一緒に寝てあげるわ」
『玲央ちゃん、本当?』
「えぇ。特別よ?」
途端にぱあっと笑顔になったすみれちゃんの手をひいて部屋の中に入る。時計を見れば、あと数分で日付が変わる時間になっていた。すみれちゃんを先にベッドに入らせて、電気を消してから私もベッドに横になる。
「眠れそう?」
『うん。玲央ちゃんのそばだから安心して寝れそう』
ほわほわとした声でそう言ったのを最後に、彼女のほうから規則正しい呼吸が聞こえ始める。寝たか。ほっとしながら布団を掛け直してやる。
「まったく。私じゃなかったらとっくに喰われてるんだからね」
安心しきって眠るすみれちゃんの髪を撫でてから、眠るために目を閉じる。だけど、自分の布団から他人の、ましてや好きな人の香りがするものだから寝るに寝れない。
「あー、もう。かっこ悪いわね、」
私は、片腕を額の上に乗せて苦笑するしかなかった。
あの子と眠る
『玲央ちゃん、クマできてる!?』
「だ、大丈夫よ。気にしないで」
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