いつもと違うきみだったから
「シェリーってさ。最近、アニとよく話してるよね」
『そうかな?』
「うん...って、うわー。エレン痛そう」
わたしとアルミンの視線の先には、アニに投げ飛ばされて変な格好になっているエレンの姿。そして、その側にはライナー。どうやら次はライナーがアニと勝負するらしい。ベルトルトは私たちと同じように、遠くから勝負の行方を見守っている。覚悟を決めてやる気を見せたライナーであったが、決着はあっという間についた。
『アニ、かっこいい!』
わたしもアニみたいになりたいと呟けば、とても驚いた顔でアルミンがわたしの方を見た。
「シェリーはアニみたいになりたいの?」
『うん。だって、かっこいいもの!アニと一緒にいたらわたしもアニみたいになれるかな』
アニはとにかく普通なわたしと違って、美人でクールな女の子でわたしの憧れの存在だ。アニの格好良さについて永遠と語っていると、アルミンに話を中断されてしまった。
「シェリーはそのままでいいと思うんだけど...」
『ありがとう、アルミン。でもね、このままじゃダメなんだよ。もっと強くならないと、』
「応援するけど....シェリーが人を投げ飛ばしたりする姿はあまり見たくないかな」
どこか困ったように笑うアルミン。
分かってるよ!
わたしみたいな平凡な奴が真似してもダメなことくらい。
失礼しちゃうな、と不貞腐れてわたしはアルミンの方から顔を背ける。
このとき、アルミンが悲しい顔をしていたことにわたしは気がつくはずもなかった。
いつもと違うきみだったから
(シェリーが遠くに行ってしまうような気がして)
(僕は少し、怖くなったんだ)
【おまけ】
「エレン、どうしよう」
「どうしたアルミン。そんな深刻な顔して」
「シェリーがアニみたいになりたいって言ってるんだ」
「アルミン、それだけはなんとしても阻止してくれ。シェリーがアニみたいになったら俺の逃げ場が完全に無くなる」
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