触りたいよ、もう一度君の軟い手に
昨日まで確かに手をつないで笑いあっていたのに君はするりと僕の手をすり抜けて、どこかへ行ってしまった。
確かに昨日まで感じていた君の体温を忘れてしまいそうで。怖くて、寂しくて、哀しくて。君の体温を忘れないように、必死に自分の左手を握りしめる。

何か君にしてしまっただろうか。
もう僕のことなんて嫌いになってしまったのだろうか。
いろいろな考えが頭の中に浮かぶ。

ふと、鞄の中のケータイの存在を思い出して電話をかけても、聞こえるのは機械的なアナウンスだけ。
フェンスにもたれ掛かり、空を見上げる。さっきまで晴れていたのが嘘のように黒い雲が上にあって、ぽつりぽつりと雨が降り出した。

「本当に、よく当たる占いなのだよ」

彼の言葉は、誰もいない屋上に消えていった。


りたいよ、もう一度の軟い手に


(なぁ、お前はどうして俺の前からいなくなってしまったんだ)

喪失感だけが僕を支配する
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