大抵の事じゃ挫けない
新しい制服に袖を通した私は、これから3年間過ごす学校の校門前で立ち止まる。新設校の誠凛高校。さつきちゃんにこっそり教えてもらって緑間くんと同じ学校にならないように選んだのがこの高校。何もかもが新しくて、これから頑張ろうと気合いが自然と入る。
だけど、どこかで緑間くんのことがちらついてしまって俯きそうになる。
突然、何も言わずにいなくなったわたしのことを彼はどう思っているだろうか。切り替えの早い彼のことだから、とっくにわたしのことなんてこの数ヶ月で忘れてしまっただろうか。
いつも彼の手を握っていた右手を握りしめる。転校した後の最初の頃は、握り返してくれる彼の手のぬくもりが恋しくて何度泣いたことだろう。今、泣いていないということは、少しは私も強くなれたのだと思う。
あの頃の私がもっと強かったのなら。
今も貴方のそばにいれたのかな。
大抵の事じゃ挫けない
(今でも、緑間くんのことが好きだよ)
(ただ、私は君の隣に立つべき人間ではなかった、それだけのこと)
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