02

わかってる。

今日から楽しい修学旅行が始まる。楽しみで眠れない…何てことはなかったが魘されてそこそこ寝不足である。
移動中は班ごとに座るので私がいると奥田さんを怖がらせてしまう。だから遠慮なく寝させてもらおう。

「ごめん。私寝るけど気にしないで。」

そう言い残して数分。目を閉じていると止めた方がいいよと茅野ちゃんの声が聞こえ目を開ける。側にいた手を掴み捻り上げると手からペンが落ちた。

「何してるの?」

「なんだー起きてたのか。」

ペロッと舌を出すカルマ。
こいつ私の顔に落書きしようとしてたな。しかも油性ペン。

「…席移動するね。」

そう言ってスズの隣へ移動した。

「そこ座るね。」

「ナオちゃん!そろそろ来ると思ってたんだ。」

スズは笑顔で出迎えてくれる。隣の席が空いていたので座った。

「朝、ランボ君達のせいで眠れなかったって言ってたからきっと移動中に寝るんだろうなって。でもカルマさんのせいでこっちに来ると思ってました。」

「さすが親友。息苦しくて朝起きたらみんな私の上に乗ってたんだよね。…でもかわいい。」

「羨ましいな〜私はそういうのないから。」

朝の様子を想像したのかうっとりと頬を染めるスズ。狭間さんは私の言葉に意外だと言った。

「なんで?だってかわいいじゃん。こいつなんか見てよ。図体だけバカでかくなって可愛いげのない捻くれたやつよりましでしょ。」

雲泥の差だ。後ろの席に座っていた寺坂が顔を出したので指指すと確かにと賛同の声を頂いた。
テメェに言われたくないと怒鳴る寺坂にスズはそうですか?と答えた。

「ナオちゃん昔からすっごく可愛いんだから。」

その言葉にお前頭おかしいんじゃないの?と言う。失礼だな。私だって可愛いげはあったよ…多分。

「ふあぁ〜眠い。そろそろ寝るわ。」

欠伸をすると膝使いますか?とスズは真ん中の腕置きを上げた。

「いや肩でいい。」

「楽しみで眠れなかったのかよ。ガキじゃあるめーし。」

「なるほど。寺坂は楽しみで眠れなかったんだね。ハッ、ガキが。」

「テメェの話だろ!!」

それを戻す私に寺坂はハッと鼻で笑う。それをお返しするとまた怒鳴る寺坂。スズはその口を抑えるとしーと人差し指を立てる。顔の距離が近く赤くなった寺坂は大人しく席に戻った。

席を座り直したスズの肩に頭を乗せ目蓋を閉じる。
スズの隣は居心地がよくそのまますぐに眠りにつけた。