奈々緒が女子の大部屋に戻ると風呂上がりで浴衣に着替えた生徒達が待っていて、そう言えばカルマも浴衣だったなと奈々緒は想い返した。涼花はまだ入っていないのか制服のまま膝を抱えて座っている。
「お!ナオちゃんじゃ〜ん。待ってたんだよこっちこっち!」
「ナオちゃ...ってどうしたの中村さん。」
「硬い硬い。莉桜って呼んでよ奈々緒ちゃん。」
自由時間で買ったお土産を広げそれをつまみにビッチ先生が酒を飲んでいた。ここ生徒の部屋。と思ったがめんどくさかったので言うのを止めた。
「涼花ちゃんずっとあんな感じでさ、奈々緒ちゃんのこと心配してたんだからどうにかしなよ。」
「言われずとも。」
涼花の前に立ちちょっとと声を掛ければ涼花は顔を上げる。ナオちゃん遅かったね〜と間延びした声。
「心配してくれるのは嬉しいけど、私が大丈夫ってわかってるならそんな顔止めな。とりあえず私の姉なんだからそれ相応の態度で待ってたら?」
「逆に妹を心配してこんな顔してるんですが...」
後ろから素直じゃないな〜なんて声が聞こえるがそんなこと奈々緒自身が一番わかっていた。
「沢田さんと涼花さんってなんか不思議な関係ね。涼花さんの方が妹みたいなのに実際は逆の関係だったり。」
「わかる!奈々緒ちゃんは妹キャラじゃないよね〜。」
片岡の言葉にすかさず賛同の声を上げる中村。その後ろで数人の生徒がうんうんと頷いている。
「不思議って...実際そうなんだから別にいいでしょ。」
「何言ってんの奈々緒ちゃん。同い年なら先に誕生日迎えてもタメよタメ。」
「それならスズは年上じゃん。」
奈々緒の言葉にんなわけないじゃんと中村は返した。話が平行線を辿っているので片岡がすかさず割り込む。
「まあまあ、沢田さんって誕生日いつだっけ?」
「7月だけど。」
「涼花さんは?」
「1月ですよ。」
「ほら!奈々緒ちゃんの方が先に生まれてる。」
でもタメなのは変わんないよと中村。奈々緒は逆だと言った。
「スズが後に生まれたんじゃなくて私が後に生まれたの。こいつ日本の学年的に言えば一つ上だよ。」
親指で指差して放たれたその言葉を理解した者からえぇ〜と驚きの声が上がった。
「待って!ビッチ先生の年齢より驚いたんだけど!!涼花ちゃん年上?!!」
「ええ。イタリアとか他の国で言えばタメですが。」
言ってなかったっけ?と首を傾げる二人。言ってないよとみんなは口を揃えた。
「義親が勘違いしてるんですよね。ほら。日本は四月からだけど他は九月から新学期が始まるじゃないですか。それでです。」
涼花はナオちゃんと同じ学年で嬉しいですけどねと付け加えた。
「わーホントに驚いた。涼花ちゃんって年上なのね。」
「幼く見られるのはいつものことなので慣れてます。家でも一番下で甘やかされていたから...やっぱりそういう風には見えませんよね。」
背も伸びなかったからなと落ち込む涼花の頭を奈々緒はよしよしと撫でこういうところじゃないのかとビッチ先生は思った。
03
素直じゃないんです。