02

初めての。

「本棚スッゴいねー!!小難しそうな分厚い本ばっかり。」

「見て、ハ〇ー・ポッターのシリーズなんて三冊ずつあるよ!!」

「え!読書用、保存用、布教用みたいな?あんな感じであるの??」

「日本語版、英語版、イタリア語版だから、児童書は簡単な単語で書かれてるから勉強になるんだよ。」

「へー、読んでみたいから今度貸してよ。」

「…いいけど汚さないでよ。」

クローゼットから興味が逸れれば、次は横にある本棚へと視点は移る。奥行きがあって高さもそれなりにあり、いろんな大きさの本が入って、しかも頑丈。お気に入りの一品だ。そこには大小様々な本が並べられていて、趣味の本だったり、参考書、図鑑、果てはリボーン君に薦められた専門書なんてあったりする。

一頻り見てまた興味が逸れたのか今度は机を漁り出す。

「部屋もだけど引き出しの中も綺麗に整頓されてるね〜。」

「あ!この引き出しだけ鍵がかかってる。ナオちゃんちょいと鍵出してもらおうか。」

「チビッ子に部屋荒らされて失くし物をしたくないから綺麗にしてるだけ。そこは大分前に鍵を失くしたから使ってないよ。」

ここに宝が!と意味のわからないことを言う二人。事実を教えたのになんだつまらないと不満を言われた。

「そもそも人の部屋に勝手に入る奴らにそんなこと言われる筋合いはないんだけど。」

「そうカリカリすんなって。私は今まで謎だったナオちゃんのお家に入れて嬉しいんだから。」

「私は無駄な体力削られて疲れてるんだけど?」

だがここまでされれば全てがどうでもよくなってくる。もう好きにしろって感じだ。雲雀の手伝いをするよりなんでこんなに疲れるんだか。カルマは本棚の本を物色してるし、莉桜は腕を絡ませて擦り寄ってくるし、

「ナオちゃんのお布団お日様の良い匂いね〜。」

「不破さんも少しは遠慮しよっか。」

不破さんはベットで寛いでるし。
すると不破さんは物足りなさそうな顔で見てくる。

「そうそれ!ナオちゃんも私を名前で呼んでよ。」

私はナオちゃんって呼んでるんだからさーと言われたので優月と彼女の名を呼べば変な声で叫ばれた。

「…なんか変な感じ。」

「嫌なら呼ばないよ。」

それは駄目と莉桜と同じように腕にくっついてくる。顔をじっと見つめて、そしていきなり笑い出した。

「なーんか気が抜けちゃたなー。怒られて追い出されると思ってたのに。」

「そうして欲しいなら今からしようか?」

「ナオちゃんは冗談が通じないわね〜。廃工場でさ、結構あっさり家に来るの許したじゃん。あれもすっごくビックリしたんだから。」

「別に。あんた達が並盛に来た時点で諦めてるし、それにどうせなら並盛について説明したかったからね。」

「面白い地域だよね。どこの漫画の話だよって感じで。」

「…スズから少し聞いてはいるか、いい?並盛はね、」

「あ!アルバム見っけ。」

「「見せて!!」」

「話を聞け!!」

真面目な話をしようとしたら本棚の一番下に隠していたアルバムが見つかって二人の興味はすぐに変わった。