05

初めての。

リビングに行けばスズとランボ達がお喋りをしていて、顔を上げ私達の後ろで佇むシャオイェンさんを見てあっと声を上げた。

「シャオはナオの所に行ってたんだ。この服初めて見るからどうしたのか聞こうと思ってたの。」

「そちらは今日届いた荷物に入っていました。なんでもルッスーリア様がお嬢様のために作ったと。」

「ルー姐が?!」

袖口やプラケットフロントにフリルがあしらわれたブラウスにハイウエストの黒いスカート、右側に腰までのスリットが入っていて、その下に穿いているシフォン生地のパニエの赤色がよく映えていた。

それはスズにとてもよく似合っていて、フゥ太やお母さんだけでなく莉桜や優月も口々に似合ってると言ったすると照れて顔を赤くしているが、それでも嬉しそうに私達の前でくるっと回った。

「ルー姐が作ってくれたんだ…嬉しいなぁ。でも良かったのかな?」

「ルッスーリア様の強い希望だったそうです。」

そっかと言い服をまじまじと見ると不意にくしゃっと顔を歪ませてくしゃみをした。それにシャオイェンさんは慌てて駆け寄り、お母さんが微笑ましそうに見ている。

「熱は…ありませんがこの様子だと後で出そうですね。残念ですがここまでです。」

「うん。せめて奈々さんのご飯食べて帰りたかったな。」

「あら、でも今日は駄目よ。また今度、ね?いつでもいらっしゃい。」

スズの荷物を持って玄関まで行き、靴を履いたスズにアルバムを渡すとどうしたの?と聞かれた。

「貸しとく。欲しい写真があったら言って。今度焼き増しして渡すから。」

「ありがとう…!!」

アルバムをぎゅっと抱き締めてスズは帰った。車の姿が見えなくなるまで見送り、後ろを振り返る。同じようにスズを送り出した三人に向かいあんた達も帰りなよと言う。

「え?何言ってるの?まだまだこれからだって言うのに。」

「そうそう。まだナオちゃんとお話ししたいしね。」

「それに俺達奈々緒のお母さんにご飯食べて行けって言われたし?」

「人ん家に勝手に上がって部屋荒らしといて、夕飯まで食べるって…あんた達どんな神経してんのよ。」

「弟君とリボーン君?とあと…ビアンキちゃんって言ったかな。友達の家で食べるから夕飯いらないらしくってだから食べていきなさいって言われただけだよ。」

優月がそう言うといいから行くよーと莉桜がぐいぐいと背中を押し家へと導く。

「諦めなって、こうなったら最後まで居るよ?なんなら今日泊まってこうか?」

「それはホント勘弁。」

莉桜は悪戯な笑みを浮かべて背中を押す力を強めた。優月も手を引いて無理矢理家に入れられる。最後にカルマがドアを閉めて…そして宣言通り彼らは居座った。

お母さんの料理に舌鼓を打つ彼らに怒りを覚えたが嬉しそうなお母さんの顔にまた何も言えなくなる。それを見た彼らが嫌らしい笑みを浮かべてそれにまた怒って、そんな風に時間が過ぎていった。

余談だがあのあとスズは本当に熱を出したそうで、それからしばらく学校を休んだ。