ざぶ、ざぶ、ざぶ
ここはどこだったろうか。
視界は黒く覆われているような気さえしてくる。
時折視界で光るのは…水面のゆらぎ…?
――ああ、そうか、ここは海だ。
足は砂浜を踏みしめている。
腰まで来ている水は海水特有の潮の香りがする。
その水位は段々と上がる。
…いや?水位が上がっているのではない。深度が深くなっていっているようだ。
足が前へ前へと進んでいるからだろう。
自分の意思とは関係なく進む足はそのまま深くなる水を拒むこと無く進めていく。
海水が喉元まで来た時に思い出した。
そうか、これは…向こうの世界にたどり着く、それよりも前の…。
目を伏せ、足を進める。
足が遅いのは足首に錘を付けているから。
ついに足の先から頭の先まで全てつかって、もうどうしようも無い。
呼吸も出来ない、思考も靄がかかっている。
そうだ、私は自らの命を絶とうとしていた。
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