2026/05/22(00:36)
シュナイゼル連載/2-33話(三度目の夏・解説あり)
三度目の夏です。ちょっとした解説もあります。
シュナイゼルにとっては二〇〇〇年、二〇〇七年以来の二〇一二年の夏ですので三度目の夏なんですね。
書き手からすると長い間一緒に過ごしているような気がしてくるのですが、物語の中で一緒に過ごした時間は本当に少ないんですよね。
これから宰相ルートと王配ルートに分岐するので、片方は遠距離に戻って切なさが増す夏ですね。ゆえにかなり大事な回です。そんでもって、プロポーズされてちょっと浮かれ気味で可愛いですね。弊作夢におけるシュナイゼルは合理性優先のノンデリ純愛野郎なので許してあげてください。生えたての愛の産毛をみて笑ってはいけません。ワッフルにアイスクリームを載せて食べる話ですが、二部の最初らへんのスイス訪問での話を彼は思い出しているとおもうので、やっと彼女のお手製のスイーツを食べられて嬉しいはずなんですよ(?)
ん〜それにしても愛だな〜。下級秘書官がカノンに言いつけてたのは、プロポーズをしたことがある?という質問のあと、指環の話をしたおじさんなんですけど、その時に思うことがあったんじゃないかな。あのあとの話の内容を考えれば警戒されて当然な気もする。カトリックの人であっても婚前交渉をする人もいるみたいですが、やっぱり真剣に教えを守って清い価値観の方もいるので、そこは茶化すところじゃないですね。(功罪の多い宗教ですが)
この作品で宗教をはっきりと取り扱う理由はちゃんとあって、本来コードギアスという作品で描写されていなければならないメタファー部分、王権神授説の箇所であるためです。王権神授説とは神と人の契約の話なので、キリスト教圏前提の世界観で現実問題になりかねないので省略されている箇所でもあるわけです。
なぜ省略されるのかというと、シャルルは皇帝(王権神授説)で戴冠した身でありながら、秘教に傾倒していて神殺しをしようとしているわけなので……そこにはっきりキリストを出すと都合が悪いのだろうなと。比較的キリスト教は創作に寛容でありますが、神自体の否定は、反キリスト教的で、企業発オリジナル作品で世界で売っていこうという視野もあればぼかした表現になりますよね。兄弟姉妹愛や同性愛的描写でさらに売ってるのでよけいに制限がつき纏うし、まあ……察してねって部分だと思います。宗教モチーフも使いづらいので、ケルトやブリタニア列王史などのモチーフをふんだんに使用しているし、ブリタニア帝国の皇宮や建築物に様式があまり感じられないのも、宗教やそこに連なる歴史が(一般的に西洋史の話。宗教と政治と美術は複合的で絡み合っているため)入ってくるので、あんまり描けない部分だったのか?と思ったり。
帝国建国までの歴史を鑑みて、ブリタニアは旧英王室のテューダー朝から一部引き継いで、プロテスタントだと解釈して書いていますし、この作品の架空国家カストラリアはカトリックです。英国国教会、アングリカン(プロテスタント)ですね。プロテスタントのなかでもモチーフが多くて、聖者・精霊信仰がある。しかし離婚もできて、比較的女性も役職につける。
十字架を切る(もっとも短い祈り)のは主にカトリックや正教会の特徴なので、弊作品で十字架を切る人はカトリックです。アングリカンは個人の自由です。プロテスタントは習慣はありません。ちなみに筆者の私自身は浄土宗(仏教)です。キリスト教でいうと浄土宗はカトリックで、浄土真宗がプロテスタントみたいなもんですね。十字架を切るのは、南無阿弥陀仏を唱えるのと似ている気がします。
さて、今回は新体制で議会を運営させるために社交界に復帰する話でもあります。地道な根回しというやつです。社会の基本ですね。上流階級の社会とは本当に社交(接待)の連続です。シュナイゼルはやはりフッ軽だと思います。得意中の得意。一応顔を出しておく。行けない場合でも代理人を立てたり、贈答を用意したり社交上手でしょう。次話に登場する、賭けチェスも、誘われたから一応行っておくかーというつもりでしたがちゃんとした目的が発生したので乗り気なシュナイゼルが見られます。シュナイゼルは皇室出身者。王室共に各国上流階級文化のプロトコルに精通しているし、ほぼ十二年間代理で摂政をやってきたので世間一般では中堅以上のベテランです。こうやって人を懐柔したり、色々根回ししてきたんだなぁ……と伝わってくれたら嬉しいですね。
あとは、ヒロインが調子戻ってきてよかったですね。これでも根明な方で(普通もう少し塞ぎ込んでいてもいいが)本来は外向的な性格ですね。授業が楽しくなるのでクラスに一人はいて欲しいが、問題にはあまり巻き込まれたくないタイプです。口ではイヤイヤ言いながら堪えて楽しい方に持っていこうと努力できる、俗に言うコミュ強でしょう。コミュニケーションコストの負担を引き受けている。上流階級で自分が立場が上という自覚があるから、受け待ちでいられないのもあるでしょうね。通常、相手は話しかけられるまで勝手に喋ってはいけない暗黙の了解があります。
余談ですが、シュナイゼルが次期首相候補者を懐柔する場面で、エリザベス一世時代の入植の話の引用しました。史実ではエリザベスTは愛人はロバート・ダドリーとデヴルーが有名ですが、ギアス公式設定では愛人がたくさんいたとの記述があったので、愛人複数説を採用しています。また史実では、司法解剖や他異母兄弟姉妹の死因・遺伝子解析等から婦人病の傾向があり、妊娠しづらかったのではないかといわれていますが、ギアス公式・世界観の歴史では愛人たくさん=子沢山だったのでテューダー朝は存続した、というパラレルワールド展開です。
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