▼ Nero goccia a causa della mafia.
いったい、どう言うことなんだ。
俺は怪しい黒ずくめの奴らが集まる場所を偶然発見し、そして尾行していたら奴らの仲間に睡眠薬を嗅がされていつの間にか眠っていた。
そして意識を取り戻したのは、たった今さっきのこと。
人の気配を感じて目を閉じたままで居れば、その気配は如月さんのものだったらしく彼の声が聞こえて来た。
鼻をつく、無数の血の香り。
思わず吐き気がしそうなほど、この場はむせ返るほどに血に塗れていた。
「守護者の名の通り、俺は暗闇の奥底深くに沈んじまえば良いんだよなあ…。」
どういう意味なのか。
如月さんがぽつりと呟いたその言葉の意味は、俺には理解が出来ない。
守護者…。
暗闇の奥底深く…。
例えば仮に、本当に如月さんが例のマフィアの一員として、"ボンゴレの紅蓮の死神"と言う名と守護者の名はリンクするのかさえ解らない。
けれどそう言った如月さんの声は、自分自身を突き放したいと思っているのかと思わされるほどに悲愴を含み。
そして、寂しい声をしていた。
「…コナンくん。あんたは、何も知らないままでいろよ。それが身のためだ。」
その言葉に、思わずピクリと反応してしまった俺の身体。
ただの独り言なのかもしれない。
けれどどうしてか、彼は俺の意識が戻っていることに気付いているようにしか思えなかった。
パタンと音が立てられ、その扉が閉まったことを理解し目を開ける。
手足はロープで縛られていて動けず、視線だけで周りを見てみれば、そこはまさに地獄絵図そのものだった。
幾多もの骸に、目を見開く。
これがすべて如月さんがしたことかは証拠もないし見てもないから解らない。
でももし、これが如月さんの仕業であったとしたら…。
こんな大量殺人、見逃せるはずがない。
やはり、マフィアは、極悪非道でしかないのだろうか。
もし仮に如月さんがマフィアだったとしても、良いマフィアも居るのかもしれないと思っていたのに。
それからしばらくして、再度扉が開かれたので目を閉じる。
すると突然浮遊感を感じて驚いたが、殺意は無さそうなので黙っていた。
▽
しばらく経って、医薬品の香りが漂う場所に連れて来られた。
そこから察するに…たぶん、病院に連れて来られたんだと思う。
ますます意味が解らない。
もし本当に俺が起きていることに気が付いていたのなら、こんなところに連れて来るとは到底思えないが…。
如月雄魔と言う人間が、さらに謎めいて仕方がなく思えて来た。
「だから俺は男は診ねぇんだって。」
「あんまガタガタ抜かしてっと、綱吉に減給してもらうかんな。」
「…おまえ本当嫌な奴だなあ。」
「あんたにだけネ〜。」
ベッドのようなところで寝かされていたとき、耳に届いた声。
それは如月さんのもので、もう片方は知らない男の声だった。
診る診ない、と言う言葉からして、恐らくは医者なんだろう。
まさか本当に、俺のことを診るつもりなのだろうか…。
そう思っているとき、蚊が羽を擦って立てる音が聞こえて来た。
こんな病院にも蚊がいるのか…なんて思っていると、不意に意識が遠のいてく。
どういうことだ。
俺はまったく眠気なんてなかったし、ましてや緊張してもおかしくはないこんな場面で寝れるほど、探偵の好奇心が消えてるとは思えないのに。
どうして、こんなに…意識が…。
「……Buonanotte. Ragazzino. Oggi tale memoria addio.」
…あの人は…。
如月さんは、なんと言ったのか。
完全に落ちようとしている意識の中だけでは、どの言葉を口にしているかも解らなければ意味さえ理解出来なかった。
早く、早く…。
このことを赤井さんに伝えないと。
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