▼ L'invito dal nemico.
「あーはん。こりゃ嬉しいお誘いだ。」
今日も今日とて…というわけではなく、俺がお誘いを受けたのは例の元カノ。
マリーナファミリーからの、挑戦状とも捉えられるラブレターだ。
それは日本での基地に届けられていたらしく、笹川兄とジャンニーニからそれを知らされ、つい笑ってしまう。
奴らの根城は骸の拷問によって明かされてはいたが、わざわざ「ここがアジトですよー」と地名を書き、自分たちはボンゴレなんかには消せないと言って来た。
どの口がそれを言う。
明らかに実力差はあるのに、何を根拠としてそれを言っているのか笑えてくる。
でもまあ、こうやって誘われちゃ断るのも悪いよなあ?
部下にマリーナのアジトに行き、雑魚どもの処理を指示したのはつい数時間前。
そろそろ終わってる頃だろうか。
「…は?」
ボス狩りにでも行きますか、と腰を上げたときに届いた、一通のメール。
それを開けば、そこには驚きのメッセージが書き記されていた。
−−−例の江戸川少年が近くにいます。
近く、ということはその現場自体に姿を現しているわけではないのだろう。
もう一度アジト周辺の土地を調べれば、そこには帝丹小学校が近くにあった。
ああ、くそ。
好奇心旺盛だからって、こんな血みどろな争いに遭遇しなくて良いのに。
「あ、俺。江戸川少年は眠らせてどっか家の近くに置いといて。毛利探偵事務所の近くに公園があるはずだし。」
『そ、それが…!』
「………は?」
返事を打つのもまどろっこしい、というわけで電話を掛けると、既に戦場は争いが始まっているらしかった。
部下もマフィアなわけで、俺の育てた奴らだから負けると思ってもいないし、特に心配することなく話しを続ければ驚きの返答をされて言葉に詰まる。
それの意味を理解するまでに、たっぷりと3秒は間があっただろう。
どうやら最悪なことに、これ幸いと言わんばかりにマリーナはコナンくんを薬で眠らせて捉えた、と言われた。
奴らがコナンくんと俺の関係を知っているかは知らないし、俺が女・子どもには手を出さない博愛主義者と知っての行動かも知ったことではない、が。
ただ単純に、うちのボスの性格を考慮した上の人攫いなのであれば、それはそれで腑が煮えくり返る。
まあ馬鹿なあいつらのことだし、そこまで深くは考えてないんだろうけど。
「良いよ、俺が出る。おまえらは俺が到着するまでに雑魚を始末しといて。ま、ボス殺しといても良いけどね。」
まったく、とんだトラブルボーイだな。
部下には雑魚はもちろん、俺が遅ければボスの始末もして良いのだと言って、電話を切った。
大物取りは好きだが、俺のことを考慮してボスを殺さず、コナンくんに怪我を負わせたりすることの方が困る。
駐車場へ出て車に乗り込み、カーナビにアジト周辺の地域を登録して車を出す。
断じて迷うから登録したわけではない。
断じて。
「さーてと、綱吉から生きて捕らえろとは言われてないし…マリーナファミリー壊滅の道でも切り開いてやりますか。」
まずは、ひとつめだ。
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