「ほら、相葉ちゃん。次はこれやろうよ。」
「よし。これ、3色に変わるんだって。ホントかなぁ。」
わいわい騒ぎながら花火をしているのは嵐のお祭りコンビ。
うるさくてずっと側にいると耳が痛くなることもあるけど、嵐の雰囲気を和やかにしてくれる二人だ。
さっきまで行われていた撮影も無事終了し、今は残った花火を消化中。
他の撮影で使わないんですかってあいは聞いてたけど、あまりにも楽しそうに花火をする俺たちに、きっとプレゼントしてくれたんだろう。
「撮影してたときより暗くなってきたし、余計綺麗に見えるな。」
「ね。俺はやっぱり線香花火対決がしたい。」
「智くん、そう言うと思った。笑」
「あの二人が派手なヤツし終わったらやろっか。」
そう言いながら、俺たちはきゃっきゃっとはしゃぐ二人を見つめる。
藍色の生地に水色や紫の朝顔がちりばめられ、所々に蝶が舞う。
涼しげな浴衣に身を包み、赤い鼻緒の下駄をコロコロと鳴らしながら次々に花火に点火していくあい。
「やっぱ似合うね、浴衣。」
「さすがスタイリストさん。よく分かってるわ。藍色持ってくるとは思わなかった。」
「……俺、ニノの考えてること分かっちゃった。」
「何よ、翔ちゃん。」
「何であいの浴衣の柄に、俺の黄色は入ってないんだろう。って考えてただろ? 笑」
心の奥を覗かれたようでハッとする。
動揺しそうになる目を何とかごまかそうとしたけど、付き合いの長いこの人たちにはお見通しなんだろう。
「次着せるのは向日葵柄の浴衣にしよっ。」
「ニノ、ずっりぃ! じゃあ俺は赤い薔薇にする!」
「今日の浴衣が最高じゃんなぁ、リーダー?」
「紫色はいらない。」
小さな声で反抗したリーダーの言葉にみんなで爆笑していると、
「ねぇねぇ、何盛り上がってんの?」
「花火終わっちゃったよ。」
お祭りコンビが帰ってきた。と、そこにいるのは緑担当の人。
「あ、相葉くんいたなぁ。」
「相葉くんなら……。」
「……草?」
リーダーの発言がツボに入ったのか、お腹を抱えて笑う翔ちゃん。
息も絶え絶えに苦しそうに笑う翔ちゃんの背中を、あいがきょとんとした顔でさすっている。
「何? 草って? 俺、草なの?」
「いいからいいから。ほら、リーダー主催の線香花火大会始めるよ。」
「誰が最後まで残るか、勝負な。」
「絶対智くんだよ。」
「いや、言い出しっぺって負けるって言うし、分かんないよ。」
「よし、浴衣の柄を賭けて対決だ!」
「おっと、それなら負けられないなぁ。」
「だから何の話!?」
まだ叫んでいる相葉さんは置いといて、潤くんが始まりを告げる。
「みんな持ったか? では、よーい、始め!」
線香花火が発する仄かな光。小さな円になって普段より近い距離に少し胸が高鳴る。
隣に座る君の横顔を盗み見ると、とても幸せそうな顔で微笑んでいた。
その光景は俺の脳裏に焼き付く。呆れるほど、鮮やかに。
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