「では、相葉くんに続いて二人目!」
「はーい。俺です。」

「松潤、がんばってねー!」
「終わったからって、ニヤニヤすんなよ!」

 背中をバシバシたたく相葉ちゃんから逃れるように、潤くんが前に出る。
 「ふぅ。」と小さく息を吐いて呼吸を整えると、花束を持って近づいてくる。

 そして、真っ直ぐに瞳を射抜いてくる潤くんが、私の前に立った。


□  side M

「それでは、よーいスタート!」

 翔くんの声に心臓が激しく動くのが自分でも分かる。
 怖じ気づきそうな足に檄を飛ばしながらあいに近づく。

 そこには、ふんわりと微笑むあいの姿があった。
 目にした瞬間、体から余計な力が抜けていくのを感じた。

 俺も小さく笑い返し、あいの元へ足を進めた。

「会うの久しぶりだな。」
「忙しそうだったもんね。」

「今からちょっと真剣な話してもいい?」
「何、突然?」

 少し不安そうな顔をするあいを安心させたくなって、意識して柔らかい顔を向ける。
 演技だって分かっているのに、引き込まれる自分を止められない。

「俺、お前といるのが好きなの。」
「……私も。」

「周りにどれだけの人がいても、俺が見ているのはお前だけだから。」
「っ!」

「お前もずっと側で俺だけを見てて。」

 赤いブーゲンビリアの花束をあいへと差し出す。

(そんなブーゲンビリアの花言葉は、あなたしか見えない)

 ナレーションが流れ、手の中の重みがあいに移った。

「潤くん、私もずっとあなたを見ていたい……。」

 あいの言葉が俺に絡まりつき、目が逸らせない。

『カーット!』

 その声がかかった後も見つめ合う俺たちに、ニノからからかいの声が飛ぶ。

「お二人さん、そろそろこっちの世界に帰って来て貰っていいですか? 笑」
「もう、二人の世界作っちゃって。恥ずかしい!」

「さすが松潤だよね。『俺だけ見てて。』なんてなかなか言えないよ。」
「ね。俺もドキドキしたもん。」

「なんで智くんがドキドキしてるのよ。笑」
「俺は、お前にドキドキしたけど?」

 あいと一緒にソファーへ戻りながら話しかける。

「で、松潤、ポイントをどうぞ。」

 翔くんに話題を振られて話し出す。目の端にブーゲンビリアが揺れていて少し胸がキュンとした。

「ブーゲンビリアの花言葉があなたしか見えないなのよ。」
「その花選ぶのがJだよな。」

「だから、ちょっとキザにいってやろうと。」
「で、いってやったのね。笑」

「いや、キザだったねー。」
「あいも負けてなかったけど?」
「ふふ。潤くんにそう言ってもらえると光栄です。」

「はい、ストップー。」
「そうやって二人の世界作るのやめてもらっていいですか。笑」

 二人に突っ込まれて顔を見合わせる俺たち。
 そんなあいの手には、俺が渡したブーゲンビリア。

 満開に咲いた花にも負けないあいの笑顔から、目が離せなかった。

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