「さてさて、そろそろ終わりに近づいてきましたが、次は……。」
「あ、俺か。」
「リーダー、起きてました?」
「起きてるよ。笑 じゃ、ちょっと行ってくる。」
両手を上げて伸びをしながら、智くんが前に出る。
「ふふふ。」と小さく笑みを零して進んでくる。
そして、穏やかな光を瞳に灯した智くんが、私の前に立った。
□ side O
「それでは、よーいスタート!」
翔ちゃんの声に足を進める。普段と同じようで少し違う高揚感。
何だ、俺緊張してるじゃんと苦笑いしそうになる。
あいを見ると、少し首を傾げていつもと変わらない仕草。
その瞳が一緒に過ごした日々を思い起こさせて、波立っていた心が落ち着く。
あいの側に行きたくて、歩みを速めた。
「元気そうだね。」
「智くんこそ。」
「あいといると眠くなる。」
「マイナスイオンでも出てるのかな。笑」
クスクスと笑うあいの顔を、机に肘をついて見つめる。
燃えるような激しいものではなく、永く永くずっとそこに在り続ける想い。
「ずっと一緒にいようね。」
「……これからもずっと?」
「変わらずずっと、永遠に。」
「うん……。」
「俺の愛を全部あげる。」
ピンクの千日紅の花束をあいの目の前にそっと置く。
(そんな千日紅の花言葉は、変わらぬ愛)
ナレーションが流れ、置かれた花束をあいが大事そうに持ち上げた。
「私もずっと智くんを想いつづけるから。」
少し目尻を下げて優しく笑うあい。その言葉に歓喜で胸が震えた。
『カーット!』
その声を聞いて、お互い無言で頭を下げる。言葉も無く、ただ向き合う俺たちにみんなから声がかかった。
「いや、何か喋って貰ってもいいですか。笑」
「だって、もう終わったし。」
「何か、口に出さなくても通じ合ってるって感じだったよ。」
「熟年夫婦的なね。笑」
「熟年って。笑 夫婦はそうかもしれないけど。」
「な。」
再び顔を見合わせて笑い合う。席まで戻るスピードがいつもより遅くなったのは、きっと気のせいだ。
「じゃ、智くんお願いします。」
翔くんに促されて話し出す。頬に感じるあいの温かい眼差しが心地いい。
「千日紅の花言葉と同じように、永遠感を出してみたの。」
「ちょっ、永遠感って初めて聞いたけど、そんな言葉あるの? 笑」
「知らない。笑 ずっと変わらないってことにしといて。」
「リーダー自由人!」
「お前にだけは言われたくないだろ。笑」
「なんかリーダーとあいって、時々そっくりなときあるよね。」
「分かる。纏う空気が全く一緒のことがあるんだよな。」
「そうなんだって、智くん。笑」
「みたいだね。笑」
言い合いながらあいと瞳を合わせると、静かに溢れる想い。
どうか伝わりますようにと、小さく咲く千日紅に願いをかける。
願わくばどうか、いつまでも変わらない愛を君に。
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