「さぁ、それではトリを務めてもらいましょう!」
「満を持して登場するのはこの人。」
「花束を持った告白ならまかせておきな! と自信たっぷりの」
「櫻井翔くんでーす。」
「「「「「いぇーい!!!!!」」」」」
「おい、コラ! プレッシャーかけんなや!」
「ひゃはは。翔ちゃん、顔色悪いよ。」
「頑張れー!」
「いってらっしゃい。」
両手両足を同じ時に出すほど、ガッチガチに緊張した翔くんが前に出てくる。
「はぁ。」と大きなため息を、隠しもせずに落としながら歩いてきた。
そして、両目を固く閉じて俯いた翔くんが私の前に立った。
□ side S
「よーい、アクション!」
アクション映画のような相葉ちゃんのかけ声に、躓きそうになりながらあいの元へ足を進める。
頭が真っ白でスタジオの音さえ聞こえない。
ふと顔を上げると、そこには弾けんばかりのあいの笑顔。
あぁ、こんな時だからこそ、お前の笑顔は胸にまっすぐ届くんだ。
あいの向かいに着いた時には、恐ろしいほど早く鳴っていた鼓動も落ち着いていた。
「待った?」
「そんなに待ってないよ。」
「そんな嬉しそうな顔して、何かいいことあったの?」
「うん。あったよ。」
思いっきり口角を上げて笑うあい。
眩しすぎると目を剃らさずに、見つめ続けるからどうかこの想いを聞いて欲しい。
「あのね、ずっと伝えたかったんだけど。」
「なぁに?」
「俺の想いに答えてくれませんか?」
「え……。」
「君の笑顔をずっと見ていたいんだ。」
紫のラベンダーの花束をあい前に捧げ持つ。
(そんなラベンダーの花言葉は、私に答えてください)
ナレーションが流れ、俺の手の花束をあいが愛おしそうに胸に抱えた。
「翔くんの想い、真っ直ぐに届いたよ。」
太陽みたいな笑顔で笑うあいを見ていると、何故か目に涙が滲んだ。
『カーット!』
その声を聞いた瞬間、へなりと床にしゃがみ込む。
焦るあいが側に座り込み、
「大丈夫?」って顔を覗き込んできた。
「翔ちゃん! 腰抜けちゃった? 笑」
「……もう嫌だ。」
「翔さん、涙目じゃないですか! 笑」
「終わった! 俺はやり切ったぞ!!」
「何か振り切った感じだね。笑」
「二人とも、こっち帰っておいで。」
隣に座り込んでいたあいと、せーので立ち上がって歩き出す。時折触れる掌にドキッとした。
「じゃ、改めまして、翔さん申し開きをどうぞ。」
ニノに水を向けられる。申し開きという言葉のチョイスがニノらしくて笑えた。
「えー、みなさんご承知の通り、ラベンダーの花言葉が私に答えてくださいなんだけどね。」
「すごいお願い感のある花言葉だね。」
「お願い感って。笑 さっきから何なんだよ、その変な言葉。笑」
「まぁまぁ。ほら、翔ちゃんの話聞くよ。」
「いや、だからもう懇願よ。どうか俺の想いを受け取ってっていう。」
「翔ちゃん必死だ。笑」
「でも、マジであいが相手役で良かったよ。あいじゃなかったら、俺動けなかったかも。」
「翔くん、固まってたもんね。笑」
そんな話をしながらあいを見ると、そこには俺が救われたあの笑顔。
何度だって、何回だって、その手に持つラベンダーに願うから。
どうか俺の想いに答えてください。
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