「じゃあまとめると、キザな言葉古今東西。ルールは、好きとか愛してるの直接的な言葉は無し。言われた方はにっこり笑ってありがとうと返す。照れて返せなかったら、負け。一番たくさん負けた人には、みんなに囲まれてキザな言葉を囁かれるという罰ゲームが待っている。」
「さすが翔ちゃん! あだ名が『説明』なだけある。笑」
「お褒めいただき、有り難き幸せ。」
わざと恭しく御礼を言うと、隣で智くんが肩を震わせて笑い出した。
「順番はどうするの?」
「座ってる順で良くない?」
ニノの言葉にぐるりと見回すと、相葉くん、ニノ、あい。向かい側に智くん、俺、松潤とテーブルを囲んでいる。
「じゃ、相葉くんから始まってぐるっと松潤まで行ったら、また相葉くんに戻るってのでいい?」
「二回目は逆回しにしようぜ。」
「ってことは、二回目は相葉くんから松潤ときて、最後がニノから相葉くんにキザワード?」
「だね。面白そう!」
「これは、精神力試されそうだなぁ!」
「ニノ、生き生きしてんね。こういうの好きそうだもん。笑」
「よし、頑張るぞ!」
それぞれが少し顔を引き締め、俺たちのくだらないゲームが始まった。
「じゃ、俺からいきます!」
トップバッターは相葉くん。隣のニノの耳元へ近づくと、
「君のこと、食べちゃいたい。」
と囁いた。思わず持っていたゲーム機を二つに折りたたんだニノ。ありがとうと返すのも忘れて、呆然と相葉くんを見ている。
「はい、ニノ、アウトー!」
「ちょっ、待って! あー、今のは無いわ!」
「ふふ。ニノ、顔赤いよ?」
「そんな焦るって珍しいね。笑」
「だって今のは相葉さんがぁ。」
「お前、そんな照れんなや! 俺が恥ずかしくなるじゃんか。」
なぜか言った相葉くんまで真っ赤になって。可笑しくてみんなで笑い合う。
「みんな笑ってるけど、これヤバイからね!」
「う……。嫌な予感する。」
次にキザワードを言われるあいは、既に顔が引きつっている。それを見たニノがニヤリと意地悪い顔をした。
「覚悟しな。」
そう言ったニノはあいの瞳を見据えると、小さく息を吸った。
「あい、君さえいれば、他に何もいらない。」
目を逸らすことを許されないように、ニノとあいの視線が絡み合う。徐々に染まっていくあいの頬が敗北を意味していた。
「あ−、無理! これ無理だよー!!」
「あい、茹で蛸みたい。」
「確かに今のは破壊力あった。」
「ここでハリウッド俳優の実力出してきたな。笑」
「ふふ。やられっぱなしの俺じゃないよ。」
「あい、大丈夫?」
「むぅ。私だって負けないんだから!」
深呼吸を2回すると、あいは智くんの側へ歩く。
「私の心は智くんでいっぱいだよ。」
一瞬目を見開いた智くん。でも、すかさず満面の笑みを浮かべた。目が細くなって線みたいになる、あの笑顔。
「ありがとう。」
満足げに返す。
「リーダー、すげぇ……。」
「よく返せたね。」
「精神力、ハンパないね。さすがリーダー名乗るだけあるよ。笑」
「いや、あいが告白してくれたと思ったら、嬉しくて嬉しくて。」
「ちょっと大野さん。これゲームですからね。」
「そう? 笑」
「あー、会心の出来だと思ったのにな。」
と落ち込むあいを、
「相手が悪いよ。」と慰めるニノ。そんな二人を見ていると、耳元に智くんの気配。
「翔くんは僕の太陽だ!」
テンション高く告げる智くん。俺は吹き出さないように腹筋へ力を入れた。
「ありがとう。」
ニコッと笑って返事すると、爆笑が巻き起こった。
「ひゃはは! リーダー、太陽って!」
「確かにキザな台詞だけれど。」
「何だよ。MUSIC DAYに掛けたんだよ。」
「翔ちゃんが司会したヤツか。リーダーにしちゃ、上手いこと言ったね。」
「だろ?」
「ドヤ顔しても、翔くんに負けてるからね。笑」
俺はニヤニヤする松潤へ向き直る。と、スッと真顔になる松潤。俺は言葉を紡ぐために、大きく息を吸った。
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