「えっと、1敗はニノ、智くん、松潤、俺、相葉くん。そして2敗があい!」

 結果を告げる俺の声に、逃げようとしたのか少し腰を浮かしたあいの腕を、ニノががっちりと掴む。

「あれ、あいさん、どうしたの?」
「いや、ちょっと用事が……。」

「まさか逃げられると思ってないよね?」

 男のおれでもゾクゾクするような色気のある声が、松潤からとんだ。案の定、体を身震いさせたあいがソファーにへたりと座り込む。

「いやだー! 5人にキザワード言われるとか、腰抜ける!」

 駄々をこねるように足をバタバタさせるあいに言い放つ。

「でも負けたんだから仕方ない。」
「ね。俺たちだってやめてあげたいけど、ルールだからなぁ。」

 笑いを堪えて告げた俺と相葉くん。そしてトドメを刺したのは智くん。

「あい、諦めな。」

 はぁと大げさなほど大きな溜息と共に、あいが覚悟を決めたのが分かった。


 どんな言葉を言おうか考えていると、元気の良い声が楽屋に響き渡る。

「はい! 一番、俺行きます!」
「お、相葉くん、いいねぇ。」

 ピシッと右手を挙げた相葉くんが、ソファーに座るあいの前へ行くと、右膝をついた。そしてあいの右手を取り、恭しく掲げた。

「永遠に、君の側にいる許可をください。」

 そう告げると、神聖なものに触れるように、あいの手の甲に口付けた。その姿はまるで忠誠を誓う騎士のようで、俺は思わず見とれてしまった。

「っ!」

 熟れすぎたトマトみたいに真っ赤になったあい。対する相葉くんと言えば、してやったりの愉快そうな表情。

「これ、超キザでしょ? 一回やってみたかったの。」
「相葉くん、そんなのどこで覚えたの?」

「多分、CMかな。」
「でも、よくできたね。恥ずかしくて、俺には無理だ。」

「いやー!」

 ワンテンポ遅れたあいが大声を上げて、両手で顔を隠す。

「こんなの無理! 騎士のポーズとか格好良すぎて無理だよ!」

 そう言って顔を上げたあいは少しだけ涙目で。ヤバイ。こっちがやられそうだと思ったのは、俺だけでは無い筈だ。


「よし、じゃあ次俺が畳み掛けまーす。」

 容赦無く追い打ちをかける松潤。座り込むあいの腕を引っ張って立たせる。右手で顎をクイっと引き上げると視線を縫い止めた。

「俺以外を見るなんて許さない。」

 低い声とは裏腹に、優しく瞼に口付けた。すっと離れた松潤の顔がとても柔らかくあいを見るから、俺まで真っ赤になってしまった。

「いやー、ギャップ萌えですな。」
「松潤だからできることだね。」

 冷静にコメントするニノと智くん。そしてへにゃへにゃと床へ座り込んだあい。

「立て……ないよね。」

 顔を覗き込むと一目瞭然。腰砕けにされてしまったあいを引き寄せ、ソファーへと座らせた。既に潤んだ瞳と上気した頬が庇護欲をそそる。

「ダメだよ。顎クイは……。ダメだ……。」

 言葉にすら力が入らない様子に、さすがに同情したくなる。隣に座って背中をゆっくり撫でていると、正面に智くんがすっと立った。

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