「1,2,3,4で手をぐるぐる回して、決めポーズ。」
「で、次はリズム取りながら順番に手を挙げてくんだよね。」
「そうそう。お前、生放送で降参ポーズしてただろ。笑」
「ばれてた? 翔くんと一緒に間違えたから、オーノーポーズしてみた。笑」
「後から映像見たら、それが振りみたいになってて笑っちまった。笑」
「ごめんなさい。次は間違えないように気をつけます!」
深夜のレッスン場で新曲をかけながら練習を行う。今回の曲は可愛らしい踊りだが、リズムの取り方などところどころに癖があり、みんなで練習を重ねた。
おかげで昨日の生放送はとても楽しくできたし、最後は紙吹雪の量とか踊りのおもしろさとかで、顔がにやけてとまらなかったメンバーもいたくらいだ。
「うん! これで大丈夫だと思う。潤くん、お付き合いありがとうございました!」
「なんとか今日中に事務所出られるんじゃね?」
時計に目をやると時刻は23時55分。少し汗ばんだ体を冷やさないためにも着替えは済ませないといけないが、急げば何とかなるかも知れない。
レッスン場の戸締まりをして、二人で廊下を歩く。周りは静まりかえっていてほとんどの人が帰ったようだ。
「潤くん、こういう静かなとこ歩くの怖くない?」
「ま、昔よりはマシになったかな。あいは怖いんだ。」
「う……。今は潤くんがいるから大丈夫だもん。」
少しふてくされたような声にドキッとした。俺がいたら大丈夫とか可愛すぎるだろ。少しおどおどとした様子で隣を歩くあいの腰を引き寄せ、心ばかりの意趣返しをする。
「ちょっ! 潤くん何してるのよ。」
「お前が怖いって言うから側にいてやろうと思って。」
「だからって近すぎない?」
「これなら怖くないだろ?」
耳元で囁いてやるとボン!っと沸騰したように顔を赤くする。
「今のは反則だ。耳元で潤くんの声聞くなんて腰が抜けてもおかしくない。」とかブツブツ言いながら頬を押さえるあいと楽屋への道を進んだ。
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