人前でイチャつく趣味はありません
title by 確かに恋だった
「それ、捕まえろ!」
楽屋に入った途端、相葉さんの声が響く。と、同時に何故か左手をリーダー、右手を翔ちゃんに拘束される。
訳の分からないままソファーに座らされた。もちろん両脇はおじさんチームががっちり固めている。
「え、何なに?」
あいの声に顔だけ向けると、そこには潤くんによって壁に縫い止められた姿。
両手首を掴まれ、今にも顔が重なりそうな距離に頭の芯が沸き立つ。
「ニノ、すぐ終わるから大丈夫。」
俺の不穏な気配を感じ取ったリーダーから、小さく声がかかる。この人が言うならそうなんだろう。俺は深く息を吸い、激情を押し殺した。
「で、何なの?」
自分でも声が尖ったのを感じたけれど、止めることができない。そんな俺の様子を物ともせず、相葉さんが近づいてきた。
「まぁまぁ、これ見なって。」
そう言って見せられたのは相葉さんのスマホ。
アラシアン@abcd
ちょ、今日の生放送、ニノとあいちゃんのネックレスお揃いっぽい!
アラシアン2@efgh
マジか! 録画巻き戻して見てくる。
アラシアン@abcd
ペンダントトップは隠れて見えないけど、チェーンは一緒だぞ!
アラシアン2@efgh
本当なら萌える! メンバー、ひん剥いて検証してくれないかなw
「ということで、リーダー、翔ちゃん、やっちゃって!」
思考が頭を巡る間もなく、ボタンが二つ目まで外される。翔ちゃんの人差し指が細いチェーンを持ち上げ、外気にさらされた。
あいの方を見ると、そこにも潤くんによって暴かれたネックレスが表れていた。
「あいのはNだな。」
「ニノのは、あいのイニシャルだよ。」
「はい、ビンゴ。」
「ファンの人、よく見てるよね。俺ら全然気付かなかった。」
相葉さんの言葉が合図だったかのように、両腕の拘束が緩む。
「潤くん、離して。」
「痛くしてねぇよ。そんな怒んな。笑」
呆然としているあいを迎えに行き、みんなから少し離れたソファーへ連れて行く。先に座った俺の膝の間に座らせ、後ろから抱きしめる。
「あー、ニノ拗ねちゃった。相葉くんどうすんの? 笑」
「嫉妬してる。嫉妬宮だね。」
「何だよ、それ。笑」
「お揃いつけるなんて、珍しいじゃん。」
鋭い視線を向ける俺にたじろぐ様子もなく、潤くんがニヤリと笑みを寄こす。
「ロケ行った時に買ったの。」
「イチャイチャしやがってー!」
「人前でイチャつく趣味はありません。だから隠してたのに。」
「隠しきれてないじゃん。笑」
「今も十分、俺らの前でイチャついてるけどね。」
「メンバーの前ではいいの。これが普通だから。」
不機嫌を隠さず言うと、みんなが笑い出す。そこにあいの声も聞こえたから、ちょっと苛立って、ペンダントトップを服の中に閉まっておいた。
「それにしても、自分のイニシャルを付けさせるとか、独占欲丸出しだな。」
勝ち誇ったように言う潤くんに、視線だけで当たり前じゃん。と返すと、呆れたように笑われた。
(ネックレスのプレゼントって、独り占めしたいって意味があるんだぜ)
(いやー、ニノったら!)
(独占欲の固まりじゃん。笑)
(今さらのような気がするけど)
(だろ?)
(これ、分かってやってんな)
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