触れた指先にうずく熱
title by 確かに恋だった



「よし、じゃあ今から移動するから、駐車場行って車乗って待ってろ。」

 元さんの言葉に、私たちは荷物を持って移動を開始する。いつものように小さな声で雑談しながら、エレベーターへ向かった。

「今日のゲストは誰だろうね。」

 そう言いながら、相葉くんが下へ向かうためのボタンを押した。

「俺、車の中で寝よ。」
「時間ちょっとしかないけど。笑」

「それでもいい。」
「よだれ垂らすなよ。笑」

 話していると、エレベーターの到着を告げる音が辺りに響いた。開いたドアの先に目を遣ると、すでに何人かの先客がいた。全員は乗れなさそうだなと一歩後ろに下がる。隣のエレベーターもすぐ到着しそうだし、次ので行けばいいや。

「あい、後で行く?」
「うん。そうする。」

「じゃ、先行っといて。」
「ニノも次のやつ?」

「うん。あいと行くわ。」
「はいはい。じゃ、後で。」

 こうして4人はエレベーターに乗り込んだ。それから1分も経たないうちに、次のエレベーターが来てドアが開いた。

「すぐ来たね。」
「誰も乗ってないし、ラッキーじゃん。」

 乗り込んでB3のボタンを押す。ゆっくりドアが閉まるや否や、私の指先に絡まる温もり。
 和は時々、こうして突然手をつないでくる。それは歌番組でカメラが回っていないときだとか、バラエティ番組でのセットチェンジの合間とか。

 二人っきりの時もあるし、そうでない時もある。でも、二人だけの時の指先は、少し大胆に私の手を撫でるのだ。

「エレベーター、止まんねぇかな。」
「ホントに止まったら困るじゃん。」

「あいと二人きりなら、それも悪くない。」

 そう言って、軽く唇を掠めとるからたちが悪い。和の触れた指先にうずく熱を感じられないほど、鈍感ではないつもりだ。せめてもの仕返しに繋がれた手を強く握る。

「あいったら大胆。」

 ニヤリと笑って、深いキスが降ってきた。


(何かあいの顔、赤くない?)
(またニノが何かしたんでしょ。)
(お前らちゅーしたな!)
(あんた、何で分かんだよ。笑)
(だって口紅ついてんじゃん。)
(げっ!)

prev / next
better tomorrow