聞いた俺が馬鹿だった



「ねぇ、二宮家って亭主関白なの?」

 日曜日のお昼過ぎ。楽屋で弁当を食べていると、ふと耳に入ってきたのは、関白宣言。公共放送の歌番組から流れてきた歌だ。その歌を何気なく聞いていたら気になってきた。俺の一番身近にいるこの夫婦はどうなんだろうと。

「智くん、突然どしたの?」
「この歌聞いて、気になったんじゃね。笑」

「でも、どうなんだろうね。亭主関白の反対の、ほらあれ、かかあ関白?」
「かかあ天下な。笑」

「俺は、ニノが亭主関白っぷりを時々発揮してると思うんだよね。」
「俺についてこい的な?」

「何か家事とかしなさそう。」
「んなことないよ。食器も洗うし、洗濯もたたむけど。」

「そうだね。言わなくても、気付いたらやってくれる感じがするね。」
「この間だってさ、あいがすっげぇ疲れた顔してたから、夜中にコンビニ行って、大好きなオレンジジュースとりんごヨーグルト買ってきてあげたし。」

「ってことは、あいのかかあ天下?」
「相葉くん、覚えたからって嬉しそうに使うね。笑」

「いいじゃん、使わせて。笑」
「かかあ天下ってどんなの?」

「浮気したら、家追い出されちゃうとか?」
「しないよ。」

「え?」
「だからしないよ、浮気なんて。あいにぞっこんだからね。」

 そう言うと、ニノはわざとらしくあいにウインクを飛ばす。それを受けたあいも、小悪魔風にウインクを返した。

「ひゃはは。ぞっこんって古い!! 笑」
「何か、二人の惚気を聞いただけのような気がして、納得いかない……。」

「だな。聞いた俺が馬鹿だった。」
「お望みなら、もって話してあげるけど?」

「いらねぇ。もう腹いっぱい。」

 俺のうんざりした声にみんなが笑うと、テレビから聞こえるのは、俺たちの曲、One Love。

「タイミング良すぎじゃね? 笑」
「あー、何だかな。ってニノ、あいの方向いて歌うなよー。」

 その声にニノを見ると、芝居がかった様子でOne Loveを歌っていて、楽屋に笑い声が響いた。


(コイツ、この間のコンサートで松潤のソロの時にさ、)
(馬鹿! お前言うなよ!!)
(あいに歌ってたでしょ。ひゃーくねーんさーきもーあいをちかうよって)
(おい、それ、俺のソロ!)
(あいは気付いてたの?)
(……し、知らない!)
(このバカップルめ!)

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