13
−そして最初の旅立ちへ……−
武器屋、防具屋、道具屋で買い物を済ませて、俺達は町の出入口へと向かった。
出入口の見えるところまで差し掛かったところで、どっかで見たことのある奴がいることに気付いた。
「うおーい!!」
大きく手を振りながら叫んでいるのは狐。その隣には真、小雪もいる…。
雨「お前ら……、どうして……!」
驚きの表情を浮かべると、狐が豪快に笑い、真剣な顔で言った。
狐「オレ等を置いていく?そんなん許さへんで。というか置いて行かれたとしても、普通に追いかけるつもりやったんやけどな!!」
最後の方、ニッとはにかむと、彼女はえばる様に両手を腰に当てた。
それに続くように、小雪がいかにもむすっとした口調で口をとがらせる。
雪「そうですよーぅ。一人で旅に出ようとするなんて、水臭いじゃ無いですかぁ。」
……いや何で知ってんだよ……。
そう思ってちらりとあいすの方を見る。
すると彼女はどこか満足そうに微笑んでいた。
……なるほど、メールで連絡網回しやがったなお前。
つかお前ら、俺と一緒にいたら危険な目に遭うかも知れねぇのに、分かってるのか……?
氷「だったら、尚更一人では行かせられないでしょう?」
薄く微笑むあいす。
俺としてはどちらかといえば、危険な目に遭うかもしれないからこそ連れて行きたくないんだが。
桃「時雨君は、みんな一人でやろうとするけど、一人で何でもできる人なんて、私は何処にもいないと思うのよ。
逃げるにしたってどうするにしたって、人手が必要でしょ?」
心配気に言った桃花。
……それは分かってる……だが……。
炎「さっきも言ったけど、ボクも旅に出ようって思ってたし!!そしたらきっと、時雨はボクのことほっとけなくなるよね!!それにそれに、危険ゾーンほど面白いところはないって言うし!!」
ひーと……旅に出たいのはわかったが、お前はどこでそんなセリフを覚えてきたんだ……。
というかブイサインをしながら言うな。
俺の旅路に刺激とワクワクを求めるんじゃない。
雪「時雨さんを一人にした方が危険だと思いますよぉ?」
“何せ方向音痴ですし”と笑う小雪。
確かに俺は方向音痴だが……たまに漢字を読み間違えるお前に言われたくはないな……?
真「危険はいつもの事だから。それに、居れば何か役に立てるかも知れないし。……いつか助けてもらった恩だって返せてないし」
真は、どこか真剣な眼差しで言った。
……恩か……随分と昔の話をしやがる……。
冷「……ぼくも、時雨お兄ちゃんの役に立ちたい……。」
俯き勝ちに冷音。
冷音には、今回の刑務所であったことも踏まえてあまり無理をしてほしくないんだが……一人で行こうとしてる俺が言えた話でもないか……。
氷「これだけ皆から言われても、まだ一人で行くと言うのかしら?」
とどめとでも言うように、あいすに言われた。
色々と言いたいこともあるが、……どうやら、折れるしか道は無いらしい。
恐らくこれは、強行突破して一人で行こうとしても、誰かしか(特にあいす)は執念深く追ってきて付いてくるパターンだろう。
……というか、捕まる未来しか見えない。
雨「……はぁ……、仕方ねぇな……、勝手にしろ。その代わり、命の保証はしない。」
そう言うと、"仲間達"からは、それぞれ元気な返事が返ってきた。
これぐらいで折れるなんざ、俺も、相当甘いのかもな……。
炎「よーし、じゃあいこういこう!!出発進行!!」
ひーとが飛び跳ねながら言った。
……だが、その遠足ノリは何とかしてくれ……。
……これが、俺達の長い旅の始まり……。
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