1


−某日、「光明の輝き」−

「どうしましょう!!!!」

リオールが血相を変えて走り回っている。
シグマはそれを見て呆れ返る。

「落ち着け…。リュートが喧嘩に行くなんていつもの事だろ…。」

「そうなんですよ!!そうなんですけどね!?今回は相手が悪いんですよ!!!!」

なおも慌てるリオール。

「…相手は下町でも有名なDQN集団。一人で行って勝てる相手じゃないね。」

氷雨が本を読みながら呟く。

「…あぁ、あのハゲ反り込みのいるところか。」

シグマも、思い当たる人物がいるらしく、顔をしかめる。

氷雨が言ったDQN集団というのは、下町でもかなり有名な集団で、その頭がシグマの言ったハゲ反り込み(細かく言えば左右に入れ墨をしている。)の男だ。

「ならオレが行ってこよか?」

狐が意気込むがリオールが制止する。

「女の子が行っては行けません!顔に傷でも出来たらどうするんですか!!あぁ…心配です…。」

しかしこのリオール、過保護過ぎである。

「うーん…、探しに行ってあげれば?シグレ君。」

「何でだよ。」

新聞から目もあげず言うシオンの呟きに、シグマが嫌そうな顔をする。

「そうです!!シグマは腕っぷし強かったですよね。探してきてください!!」

それが聞こえていたのかいなかったのか、リオールが目を輝かせながら言った。

「だから何でだよ。」

呆れながら嫌そうな顔をするシグマ。

「だって、僕じゃ腕っぷし弱いし、ヒートやハヅキじゃ危ないでしょ?」

正論を放つシオン。

「…、はぁ…、ったく、行きゃいいんだろ?」

シグマが折れ、リオールがさらに目を輝かせる。

「本当ですかっ!!すみません、早速お願いします!!」

「…はぁ…。」

シグマは呆れながら項垂れ、扉を開けて外に出た。

   * * *

…はぁ。
何故俺がリュートを探さなきゃなんねぇんだよ。
つか、これで通算何回目だ?
…あ、五回目ぐらいか。
以外に少なかった。
因みに今、屋根の上走りながらリュート探してる。
つか、何処で喧嘩してんだよ…。
…ん?
あれか?

   * * *

「一人で来るなんていい度胸だな、リュート。その度胸だけは買ってやるぜ。」

頭の左右に入れ墨をいれた男が、舌舐めずりをしながら、吠えた。

「へっ、集団じゃなきゃ何も出来ねぇお前らとは違げぇんだよ。」

対するリュートも嫌味な笑みを浮かべ、挑発した。
「…んだと、もういっぺん言ってみろ!!」

「群がってしか行動できねぇテメーらとは違げえっつってんだ!!」

「てめえ…、かかれ!!」

数人のチンピラが動いた、がその時。

「ぐああ!!」

バキッという打撃音と共に、後ろに控えていた別のチンピラが倒れた。

「随分楽しそうなことやってんな。オレも混ぜろよ。」

その倒れたチンピラの後ろに現れたのは、緑髪の青年。

ニヤリと笑みを浮かべ、リュートの方に向かってくる。

「え、お前…。」

「数の少ない方につくのがセオリーだろ?」

にっこりとした笑顔を浮かべる青年。
リュートはいまいち状況が掴めていない。

「ちっ、ちゃっかり助っ人呼んでんじゃねぇよ!!」

リュートに殴りかかろうとするチンピラ。
するとそれと被せるように、上から声がした。

「おい。」

リュートは聞いたことのある声だが、上から降りてきたところに全力で驚いていた。

「シグマ!!おま…、」

チンピラは、シグマを見止めると、鋭いガンを飛ばした。

「んだテメェ。」

「あ?俺はこいつの迎えだ。…あんたこそなんだ。」

「へぇ、お前、俺達のこと知らねぇの。俺達はな…泣く子も黙る、タルタロスだ!!」

そういって殴りかかってくるチンピラ。だが次の瞬間にチンピラはシグマに手首を掴まれ、腕はメリメリと悲鳴をあげた。

「いでででで!!」

「…タルタロス?知らねぇなぁ。」

わざとらしく言うシグマ。

「て、テメェ…。」

「そいつを放しやがれ!!」

もう一人が殴りかかった。
が、シグマが投げ飛ばしたチンピラが当たり、共に倒れた。

「…シグマ、手加減してやれよ…。」

呆れながら言うリュート。

「…面倒臭い。」

「はぁ…、もういいか。」

さらっと言ったシグマに、リュートは呆れ返った。
後ろの青年もきょとんとしている。

「はぁ、さっさと終わらせろよ…っと…危ねぇな!!」

向かってきたチンピラの拳をかわし、足払いをして倒すシグマ。

「…さっすがシグマだな。」

「え、俺もやるのかよ。」

「いや、お前三人も倒しちまってるからな?」

さらに呆れるリュート。

「…おい、そこの金髪。」

緑髪の青年が、言った。

「…なんだ。」

「手伝え。」

笑顔でいっているが、背後が黒かった。

「…はぁ、了解。」

呆れながら言うシグマ。
そして、チンピラとの戦闘が始まった…。






- 18 -

*前次#


ページ:



[表紙へ]
[storys portalへ]
[別館topへ]
[本館topへ]