実は俺には前世の記憶と言うものがあったりする



今の戦国の世からだいぶたった後の世
平成という時代から転生した



よく覚えてないけど事故とかで命を落とすとか、そういう呆気ない終わり方だったのだと思う





まあ前世云々は気にせず過ごしてたけど




そして少し前まで、今度は病でまた命が尽きかけてたはずで




…もしかして俺、死んだのかな?



今、こんなに動き回ってるのに全然苦しくないしさ




いやいや、でも足ちゃんと見えてるからそれはないか





じゃあこれはきっと夢なんだ





そう、だよ。そうなんだ




なのにさっき斬られた場所がじくじくと痛む




夢なのに痛いとか何それ勘弁



「大人しく斬滅されろ!」




そう言ってまた居合いの構えをとる銀色の彼





でもごめんね?


夢であっても殺されるわけにはいかないんだ





彼の刀が届く寸前で俺は羅針盤で空を飛ぶ



「なっ…!?」


「まだ、死ぬ訳にはいかないんだ。だから、さよなら」




逃げるのはかっこ悪いとは思うけど、戦略的撤退って大切だと思うんだ



勝てない相手ではないだろうけど、手傷を負っている俺には厄介な相手だから





「じゃーねー」





某猫型ロボットの話に出てくるタケコプターの要領で空高く飛んでいく




彼は一瞬追いかけてこようとしたようだが、何処からか現れた黄色い服を着た男に呼び止められたようで追いかけて来なかった





あっぶなかったー




黄色い人に感謝だね





「それにしても…豊臣、ね」




これは一体どういうことだろうか

- 3 -

*前次#


ページ:



ALICE+