せんなご
草木も眠る夜更けのなか、町から少し離れた場所にぽつりと立ったその屋敷の一室からは仄かな明かりが浮き出していた。
その部屋の中、襦袢を纏った男女が一組、寝台の上で向かい合って座っている。
千樹と和――二人は異世界に召喚され、共に喚ばれた同級生たちと友情と信頼を築きながら毎日を過ごすなか、気付けば恋に落ちていた。
もともと、元の世界に居た頃から両片想いのような状態だったのが、異世界に来て収まるべきところに収まったという形になる。
悩みに悩んだ末、ふたりは元の世界に戻らず、この世界で共に生きていくと決めた。そして仲間の中でも聡明で二人の仲を喜んでくれていたミヤコに相談し、仲間のもとを離れてふたりで生きていくと決めた。
二人が今いる橙の国は、元の世界とどこか似た香りを漂わせる中華風の国だった。基本的に衣服は洋装ではなく和装が主流で、建築物も和と中華風が混ざりあったようなデザインになっている。
千樹と和は『別の国から移住してきた若夫婦』として、橙の国のバロンが用意してくれた屋敷に腰を下ろしたのだった。
移住から一週間。身辺の整理も近隣の住人との交流も恙無くおこない、ある程度暮らしが落ち着いてきた頃。千樹は、妻となっている愛する人に、もっと踏み込んだ関係になりたいと伝えた。若さからか溢れ出る情欲を抑えるのが少し難しくなってきたからだった。それに彼女は頷き、運命の夜を迎えたのである。
「……本当に良いの?」
そう問い掛ける千樹の目は欲に濡れ、ひどく扇情的だ。
覚悟していたはずなのに、和の心臓はバクバクと鳴り止むことはない。ごくりと唾を飲んで、小さく頷いた。
千樹の熱っぽい目が、まるで蛇のように体に絡み付く。見られているだけでお腹の奥が疼いて、自分のはしたなさに後ろから刺されてるような気持ちになる。
「せ、千樹くん……」
「ごめん。嫌なら、嫌がってほしい」
「んっ」
手が伸ばされる。頬から首筋、鎖骨と肌に触れながら降下してきた手が、襦袢の上から和の胸を刺激する。ぺろ、と項を舌が這う。ビクッと震える体に気を良くしたのか、千樹は