岩浜が避けられたビームによって爆ぜた。
「――ああ、もう!邪魔だなぁ!」
向かってくるオレンジの敵機の攻撃をかわしながら、フィーネは舌打ちをした。
「君に時間かけていられないのよね!」
ただ一撃で墜ちる敵よりも楽しい相手なのは確かだが、今のフィーネはそれどころでは無かった。
立ちはだかるオレンジの機体“グフイグナイテッド”の遠く後方に見える灰黒色の戦艦に目をやる。
早くあれを落とさなければ、ジブリールの期待に応えられない。
地球でナチュラルからも英雄として評価されつつあるミネルバを撃墜することが、ファントムペインに求められている役割だ。
これまで何度も撃墜に失敗してジブリールの苛立ちはピークに達していた。その苛立ちは直接自分にぶつけられる。それだけは避けたい。
「…痛いの、嫌なのよ」
フィーネはため息をつく。
それに…
ミネルバの近くに黒い機体が見えた。
“フェンリル”
インド洋で屈辱を味わった機体だ。あれは自分の手で殺さなければ気が済まない。それは、本来の目的とは別の自身のプライドを守る為の復讐心だった。
“アレウス”のライフルが目の前の“グフ”に標準を合わせたのと同時に、“グフ”の手首から鞭が打ち出された。“アレウス”の攻撃を避けると、その鞭で“アレウス”のライフルを絡めとった。
“アレウス”は鞭からの電撃が伝わる寸前でそれを手放して、地面を蹴り上げて距離を取る。
ライフルが駄目になっても…!
サーベルを抜き取って、再び“グフ”向かう。
「“私達”、こっちのが得意なんだよね!」
すかさず“グフ”もサーベルに持ち変えるが、“アレウス”の方が僅差で速さが勝った。“グフ”の右腕を切り落としてボディを蹴る。地面に叩きつけられる直前で、“グフ”はブースターをあげて急上昇した。
「しつこいッ!」
右腕を切り落としたというのに左腕のレールガンで尚も向かってくるそれに、舌打ちをした時だった。
別の敵機に補足されたことを知らせるアラートが鳴り響く。
フィーネは瞬時に回避行動を取った。
背後から放たれたビームがボディを掠めた。同時に自分に向かってきていた“グフ”の頭部と左腕が宙を舞った。
呆然と機体を返して上空を見上げると、白い機体が自分に悠然とこちらを見下ろしていた。
ザフトの“グフ”と連合の“アレウス”、同時に攻撃対象とされたのだと理解して、フィーネは忌々しそうにその白い機体を睨みつけて叫ぶ。
「いったい、なにが目的よ!?あんたッ!!」