「探索任務…で、ありますか?」
ミネルバのブリーフィングルーム。副長のアーサーに呼び出されたシン、レイ、アーシェの3人は目を丸くして互いの顔を見合わせた。
「なんで俺達がそんなこと…」
シンが不満げに口を尖らせた。
「シン」と、反抗的な態度の彼をレイが諌める。
アーサーは地図パネルを指して説明を続けた。
「周辺住民の情報提供によると、この街に連合の息のかかった何やら不明な研究施設があるそうだ。君たちには、明朝そこの調査に行ってもらいたい」
「研究施設…?」
アーシェは地図パネルを注視した。
目標はエーゲ海の海岸線から少し内陸に入った場所。
こんなところで何をしていたのか…
「今は静かなそうだが、以前は車両や航空機、モビルスーツが出入りしていたかなりの規模の施設なようだ」
「そんな仕事、俺らがやるべきことですか?」
シンはふてぶてしく顔を顰めてみせた。
アーシェはシンの態度に呆れたようにため息をついた。
昔から自分より上の立場を前にすると、噛み付かずにはいられない彼の性格は何とかならないものか。
シンが言う“そんな仕事”とは、“パイロットとしての技術が要らない仕事”なのだろう。確かに自分達の本来の任務はスエズの駐留軍の支援、そして立場上は赤服のパイロットだ。しかし、上からの命令とあれはば何であれやらなければいけないのが軍属だ。
アーシェはシンを挟んで向かいに座るレイに視線をやる。彼はいつもの冷静な表情で前を見据えていた。
ほんと、対象的ね…
対象的だからこそ、この2人はバランスが取れているのかもしれない。レイがついているなら、この任務も安心だ。
アーシェはぼんやりと考えて、再び地図パネルに集中する。
「そんな仕事とか言うなよ。もし武装勢力が立て篭っていたらどうする?」
アーサーの言葉にシンは押し黙った。武装勢力が相手と言われたら、パイロットである自分達が出る理由は理解できた。
アーサーは言い聞かせるように言った。
「そういう“任務”なんだ。ちゃんとした司令部直々の命令だぞ。しっかり頼むぞ」
なおも納得の行かない表情を浮かべるシンを他所に、レイとアーシェは立ち上がって敬礼した。
「了解しました」