わが神、なんぞ我を棄てたまいし


 冷たいものが頬に落ちる。──これは雪だ。はらはらと舞い落ちる雪。それが【私】の顔に向かって落ちてくる。
 【私】は天(そら)を仰いでいた。一面灰色の空。【私】の四肢は投げ出され、雪原に半ば埋もれている。身体中が痛いほど冷たくて、起き上がることができない。そしてそんな現実に【私】は納得していた。だって、いくつもの弾丸に穿かれたのだから。たとえ悪魔の身体であっても、修復には限界がある。銀の弾丸で射抜かれた悪魔の結末などとうに決まっていた。
 瞼の重さに耐えきれず、視界がぼやけ始める。【私】が【私】から切り離されていく、そんな感覚があった。
 遠ざかっていく聴覚が、その時ひと揃いの足音を捉える。己を覗き込む、狼の目。

「……いってしまうの?」

 女の声だった。突き放したような、途方に暮れているような、そんな声。【私】はそれが悲しいと思う。彼女を独りにしてしまうのが、悲しかった。
 膝をついた彼女に、【私】は強張り始めた唇を動かそうとした。『ごめんね』と言いたかった。言ったつもりだった。でも言えなかったかもしれない。なんだかとてつもなく眠かった。終わりが近い。【死】という単語が脳内で明滅する。
 そうだ、【私】は死ぬ。堕ちるのではなく、跡形もなく消え去ってしまうのだ。【私】に次などない。次に生まれてくる私は【私】ではないのだ。だから『さよなら』と言いたかった。
 もう二度と、会えないと思ったから。
 でも彼女は「大丈夫」と笑った。「またすぐ会えるから」と。

「魂は地獄に、肉体は腹の中に。……これでずっと一緒にいられるね」

 捕食者の眼が、キラリと光る。喜悦の滲む声は、台詞とは裏腹に蕩けそうなほど甘いものだった。

「空腹で仕方ないの。お腹が空いて、どうしようもなくさみしいの。助けてくれるよね?■■■──アナタは、カミサマなんだから」

 女は身体の上に置かれた前肢に体重をかける。ぐうっと押さえつけられる【私】の腹部。うまく呼吸ができない。唾液とも血液ともつかない微量の何かばかりが吐き出される。
 ……或いは、生命の断片が。

「──いただきます」

 にぃっと開いた口から、真珠のような歯が覗く。この歯が【私】の皮膚に突き立てられるのだ、と【私】は悟った。噛まれて、引き裂かれて、千切れた肉片の、その小さなひと欠片すら彼女に飲み干されてしまうのだ。そしてそれは【私】の想像に終わらない。
 彼女が身を屈めたことで首筋を絹糸の髪が擽る。一面灰色の世界で、春の色が【私】の視界を塞ぐ。

「■■■、私の天使。ずうっと、ずっと、いっしょだよ」

 そして、捕食者の牙は突き立てられた。





 飛び起きた体から冷や汗が噴き出す。戦慄く唇、鈍く痛む頭。荒い呼吸音が部屋の中に響く。
 ここはどこだ、私は何をしていた?上手く働かない頭で、名前は記憶を辿ろうとする。どうしてだろう。記憶に連続性が見られない。まるで私という存在が途中で何かと置き換えられたような……
 頭を押さえる。思考が霧がかっている。目覚めが悪い。それこそ、悪夢を見た後のように。
 なのに不思議と懐かしくて哀しい。表現しがたい感情が胸を突き刺す。じくりじくりと痛むところからじわりじわりと血が滲み出す、そんな感覚があった。

「体調は良くなった?」

 ビクリ、とひとりでに肩が震える。ひとりきりだと思っていた、その部屋の中──名前が横になっていたソファのすぐ傍らに、女が座っていた。
 彼女は──マキマはいつもと変わらない。驚きで鼓動を速める名前とは対称的に、いつもと同じ静かな表情のまま。気遣わしげに眉を下げて、汗ばんだ名前の額をハンカチで拭う。

「えっと、はい……」

「名前ちゃん、倒れちゃったんだよ。呪いの悪魔に会いに行ってから……覚えてない?」

 目覚めたばかりの上、混乱に侵された脳内。忙しなく働かせたところで、いまひとつ判然としない。呪いの悪魔と交渉をした──そこまでははっきりと覚えている。望み通りの結果を得られて、足取り軽く公安本部に戻った──はずだ。けれど記憶はそこでプツリと切れてしまっていた。
 『はい』とも『いいえ』とも答えられずまごついていると、マキマは続けて、「だからとりあえず私の部屋に連れてきたの」と言った。

「本当は仮眠室の方が良かったんだろうけど、こっちの方が近かったし、人目も気になったから」

「マキマさんが運んでくれたんですか……?」

 恐る恐る訊ねながら、名前の目が向かうのは白いシャツに被われたマキマの細腕。女性らしくしなやかなそれが自分を抱える姿を想像して、名前はすっかり青ざめた。こちらの方がよほど悪夢だ。この美しいひとの手を、文字通り煩わせてしまうなんて!
 そんな胸中など知るはずもないマキマは、思わずといった様子で笑みこぼす。「かわいい名前ちゃんのためだもの」と、こんな時でなければ胸をときめかす言葉を伴って。
 お陰で名前の喉はひきつった。

「ごっごめんなさい!まき、マキマさんのお手を煩わせるなんて、そんなっ、〜〜〜ッ!!」

「どうどう、落ち着いて。深呼吸深呼吸」

 うまく呼吸ができない。息を吸うのって、吐くのって、どうやるんだっけ?
 そんな具合で狼狽する名前の背を、マキマは撫で擦る。「謝らないでいいんだよ」と穏やかな声で囁きながら。呼吸が整うのを待っていてくれる彼女に、名前は泣きそうになる。
 どうしてこんなに優しくしてくれるんだろう。思えば出会った当初から彼女は【こう】だった。
 この世界に生まれ落ちたばかりの名前を、『逢いたかった』と言って、抱き締めてくれた。悪魔の身であるのに人間と同じ待遇で扱ってくれた。大切な仲間と引き合わせてくれた。今の名前が持っているもの、そのほとんどが彼女から与えられたものだった。

「──でも、私に黙って呪いの悪魔と交渉した件については説明してほしいかな」

 ──そんな優しいひとを、私は裏切ってしまった。

「気づかれないと思った?確かに悪魔収容センターは私の管轄じゃないからね。だけど……ねぇ、忘れちゃったのかな。私は鼻が利くけれど、それだけじゃないってこと」

 歌うように言葉を紡ぎながら、マキマは名前の背を人差し指の先だけで撫でていく。
 名前を宥めるために添えられていたはずだった。そんな彼女の手の、伸びた爪の先がシャツの上から皮膚に立てられ、つぅっと背骨をなぞっていく。
 覚えのある動きだ、と名前は思った。どこかで見た動作。何かに似ている……──たとえばそう、骨から肉を剥ぎ取る時のような。
 ぞわぞわとしたものが腹の底から湧き出て、名前は喘ぐように口を開いた。

「マキマさん、」

「謝る必要はないって最初に言ったでしょう?嘘じゃないよ。本当に、怒ってなんかいないんだから」

 マキマは莞爾、と笑む。その表情は母が子を見つめるが如く、慈愛に満ちたものだった。
 ──だからこそ、名前の背に冷たいものが伝う。
 恐ろしいと思った。思ってしまった。この、美しくも優しいひとに。その眼差しから、ビアズリーの筆致にも似た鋭さを感じ取ってしまったのだ。
 名前はごくりと喉を鳴らした。乱れる呼吸音。上昇する心拍数。被捕食者の、本能的な反応。眼の前の女の、唇の赤さがいやに目につく。
 その唇が大きく開かれて、真っ白い牙が自分の首筋に突き立てられる。そんな想像を──これは本当に想像だろうか?こんなにも鮮明で、皮膚に感じた吐息の熱ささえ思い出せるのに?──した。

 けれど。

「……それならもうご存知なんですよね、私が呪いの悪魔とどんな取引をしたのか」

 名前が選んだのは受容でも抵抗でもなく、対話という道だった。獣としてではなく人間として接するべきだと思ったし、彼女には誠実でありたかった。たとえ自己満足であったとしても。
 喉奥に貼りつく、滞留した空気。腹は決まった。それでも気を強く持っていなければ次の瞬間には降伏のポーズを取ってしまいそうだった。
 それを予感させるのはマキマの眼。畏怖を抱かせる、神々しき双眸。真昼の黄金、その色が濃度を増して、視神経から脳へ。思考を、蝕んでいく。
 名前は頬の裏を奥歯で噛んだ。彼女は表情を変えなかったけれど、その眉がぴくりと動くのが見えたから。

「……っ、私の魂の一部と引き換えに、アキくんの寿命を返してもらいました。……勝手をしたのは申し訳ないと思っています。でも、センターからの許可は得ていますし、誰に止められたって私はこうしていたとも思います」

「──そう」

 眇められる、狼の眼。尖さを増す、背中の感触。
 たったの一言、それも彼女が発したのは相槌のひとつ。だというのに膚が粟立つ。射竦められた、獲物の気分。名前は、『ジェヴォーダンの獣に狙われた人間も同じ気持ちだったのかしら』と、ぼやけていく頭の中で思う。
 あぁでも、あの獣は喉や脚を狙わなかったのだっけ。あの時【私】は、いちばん最初に喉を喰い破られたから──、

 ──【私】って、だれ?

「そんなことをして、早川くんが喜ぶと思う?」

 ──早川くん

 その音に、飴色の化石となりかけていた脳が息を吹き返す。
 名前は数度、瞬きをした。自身を見据えるアンバー。しかし視界の中に恐るべき獣の幻影はない。僅かに生じた違和感と共に、彼が追い払ってくれたらしい。その証拠に、名前の口許にはささやかな笑みさえ浮かんでいた。

「アキくんはきっと怒るでしょうね。バカだって、勝手なことするなって」

「だったら、」

「でも、恋ってそういうものでしょう?身勝手で、押しつけがましくて、理性が利かない。このきれいじゃない感情をぜんぶ引っくるめて恋と呼ぶんだって、わたし、そう思うことにしたんです」

 デビルハンターを辞めて、穏やかな生活を送ってほしい。そう思うのと同時に、ずっと一緒に仕事をして、最期には隣で死んでほしいとも願っている。身勝手極まりない。こんなのは恋ではない──人を愛するということは、献身的で見返りを求めないものなのだと姫野から学んでいたから──そう、思っていたけれど。
 でも、ヒロフミは名前に『ここから逃げて、人間として生きよう』と誘ったその口で、悪魔である名前に『喰べられるのも悪くない』と言った。相反する感情を抱えていてもいいのだと教えてもらったから、だから名前はアキへの想いを【恋】と名付けることにした。それでいいのだと、自分を赦すことができた。
 もちろんそこまで詳らかにはしなかった。しなかったけれど、名前の中に羞恥が生まれた。偉そうに講釈を垂れてしまった。自分より博識な人に賢しらぶってしまってきまりが悪い。
 こほん、と無意味な咳払いをしてみたが、沈黙が解かれることはなかった。

「すみません、関係のない話をしてしまいました」

 謝罪の言葉を捧げても無反応。マキマは温度のない眼で名前を見ていた。或いは、名前を通して別のなにかを。
 どのくらいの間そうしていただろう。張り詰めた空気がほどけるのは不意のこと。何がきっかけだったか、背中にあった感触は力をなくし、箭(や)の如き視線も外された。

「……名前ちゃんは選んだんだね。今度は、早川くんを」

 次いで洩らされたのは、揺れる音。今際に零される吐息にも似た声だった。
 それは初めて聴くものだった。凛とした彼女らしからぬ、幼気でさえあるものだった。だから名前は咄嗟に否定の語を口にしようとした。……しようとしたところで、思い直した。
 『選んだ』というと語弊があると思う。これではまるで他にも選択肢があったみたいじゃないか。でも結果的には『そう』なるのかもしれない。ここでは何と答えるのが正しいのだろう?
 迷った末に、

「生きるならアキくんと一緒がいいし、死ぬ時には隣にいてほしいなって、そう思っただけです」

 と言った。その後で、「もちろん、だからといって本分を忘れるつもりはありません」と慌てて言い添える。

「彼が復職しようとしまいと私はデビルハンターを続けるつもりです。許されるならこれからも、あなたのもとで」

「だめだよ、ゆるさない」

 身を乗り出しかけた名前を遮ったのは、冷ややかな一声。表情の抜け落ちた顏、双眸。怒りや失望ですらない、完全なる無。晩年を迎えた恒星、パルサーの光さえ放出しない崩壊した星。この両の眼こそがブラックホールだ、と名前は思う。引きつけられ、落ちていき、永遠に抜け出すことは叶わない。そんな己の姿を視た。
 マキマはおもむろに右手を持ち上げる。名前はその動きを視界の隅に捉える。マキマの手が己に向かってゆっくりと伸べられ、片頬に這わされるのを。形のいい爪が、今度は己の輪郭を辿るのを。僅かな痛みを感じながらも、巨大な天体から目を逸らすことができないでいた。

「……なんて言うと思った?」

 弧を描く唇。爪を立てられた頬が痛む。
 ブラックホールに触れることができたなら、きっとこんな質感なのだろう。名前はそう思った。彼女の指先からはいつだって凍てつく冬の気配がする。冷たくてかなしい、終わりなき夜に生まれつくものの、

「言ったでしょう、怒ってなんかないって。私はただ、大切なあなたの一部分が他の悪魔に奪われてしまったのが気に食わないだけ。そんな提案をした悪魔に腹が立ってるだけなの」

 切り傷を負った膚(はだ)。自分の刻んだ爪痕に、しかしマキマは唇を落とす。慰撫するように、慈しみ深く。聖女もかくやといった面差しで、今度は名前に触れてきた。
 吐息が首筋を掠める。擽ったさに引ける腰を、存外強い力でマキマは押し留める。伏せられた眼からは感情が読み取れない。温度も、重力も。
 見つめられていないのに、名前は彼女の腕から抜け出せなかった。頬に口づけられ、傷口を這う舌に痛みを覚えながらも。それでも抵抗できなかったのはどうしてだろう。
 ……相変わらず冷たい指先が気にかかった。それが理由の一つであるのだけは確かだった。

「許せないとするなら、名前ちゃんが自分を安売りしたってところかな。あなたの一部分は呪いの悪魔なんかにくれてやるほど安いものじゃないし、それにその身体はあなただけのものじゃないんだから」

 不思議な言い回しをするな、と名前は思った。確かにこの身体は公安の管理下にある。けれどそれだけじゃない──マキマは含みを持たせた言い方をして、名前と視線を合わせた。
 彼女は名前が答えに辿り着くのを待っているようだった。琥珀はその中に光を閉じ込めていた。それでも抑えきれない輝きが漏れ出していた。謎かけは解かれるためにあるものだ。蠱惑の眼差しが、名前に訴えかけていた。

「……ありがとうございます。私の身を案じてくださっているんですよね」

 しかし元来名前は心の機微に聡い方ではない。なにせ悪魔だ。学習して、模倣して、それらしく振る舞うことはできるようになったけれど、それでも察する能力は高くないと自負している。
 結局、名前は当たり障りのない答えを選んだ。それ以外の選択肢など思いつかなかった。
 マキマは「わかってくれればいいの」と微笑う。閃光は放物線の蔭に隠れてしまった。名前の中に残されたのは、暗黒星雲に似た黒いもやの集まりだけ。
 納得がいかない……というよりは収まりが悪い。とにかくモヤモヤする。正体がわからないのに【そこ】にある気配だけは感じ取れる。だからなおさらもどかしい。

「そんなに心配してくださるなら、首輪をつけるのもやぶさかではないのですが」

 けれど問い質すほどのこととも思えず、名前はおどけてみせた。無邪気な風で口角を上げながら、得体のしれない焦燥感に追われていた。
 名前の冗談に、マキマは「首輪、」と繰り返しながら、優雅な所作で指を顎の下にやった。宙に投げられた視線。彼女はいったいどんな未来を視ているのだろう。
 一考する。それを姿勢で示してから、マキマは「そんな脆いものじゃ物足りないかな」と小首を傾げた。

「紺青と黄金の七宝を一面にちりばめた壁龕(へきがん)をうがち、あなたのための【詩句】で冠を作り、私の【嫉妬】を羽織らせてあげましょう。あなたを飾る真珠は私の【涙】、あなたの靴は私の【尊敬(うやまい)】から生み出されるの。そして踵の下には私の臓腑を噛み苛む【蛇】を置きましょう。かわいい名前──私だけの聖母(マドンナ)──叶うなら、あなただけの祭壇を築くのに」

 うっそりと笑んだ女の手のひらが名前の首に回る。
 右手と左手、両の手で押さえつけられる名前の頸部。それこそ首輪でもはめているかのように。ゆるやかな圧迫感は明らかな戯れで、なのに名前の脳裏をよぎったのは肉食動物による狩りの映像だった。

「……って、そんな詩があったよね」

「あ、あぁ……ボードレール、ですね。『À une madone』──」

 『あるマドンナに』と訳されたその詩(うた)は、恋人と別れた直後に書かれた嫉妬と怨恨に満ちたものだ。
 ──でもどうして今、この詩を?

「……まぁでも、私のは冗談じゃないけどね」

「え……」

 そう言ったくせ、マキマはあっさりと手を離す。「なんてね」と、戸惑う名前を置き去りにして。未練などないといった素振りで席を立ち、身を翻す。

「私はこれから予定があるから出るけど、名前ちゃんはどうする?もう少しここで休んでく?帰れるなら帰った方がいいと思うけど。どのみち上がる時間でしょう?」

「そう、ですね……。帰ることにします。これ以上ご迷惑はかけられませんし」 

「迷惑ではないよ。でも、気をつけてね」

 マキマは「つぎ倒れた時は本当に首輪つけちゃうから」とつけ足して、退出する名前に手を振った。
 嘘か真か、冗談か本気か。どちらにせよ名前に選択権はない。だから考えるのはやめた。それに今は体調不良という免罪符もある。
 魂を食べられるなんてはじめての経験だが、こうも身体に出るものなのか。名前は長い廊下を歩きながら額を押さえる。頭がうまく働かない。常に思考に霧がかって、足元がふわふわしていた。これはいつか落ち着くのか、それとも死ぬまでこのままなのか。

「そもそも肉片を食べられたことすらなかったし……、…………?」

 ひとりごちて、自分の放った言葉にひっかかりを覚える。
 私は自分の肉片を誰かに分け与えたことなどない。今まで、一度だって。そんな記憶はないはず、……なのに自分が喰べられる想像は容易に形作ることができた。突き立てられた牙の鋭さも、首筋を這う舌の熱さも、圧倒的な死を前にした恍惚も、──己の血で赤く染まった【誰か】の口許も。

 想像の中の狩人は、マキマの顔をしていた。