『十五夜』



気づけば
きめ細やかな雫が
アスファルトを
優しくなだめていた

満ちたる月は
夜の果てに
その身を潜め
人々の傷を
密やかにに癒している

兎は餅をつかず
偽りの世界に
釘を刺し
誰かの痛みに寄り添う


沈黙と優しさとの
調和の中で
ただ闇だけが
私達を見つめ続ける



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