#7

「ほらな。やっぱ無理だったろ」

 ぐうの音も出ないとはまさしくこのことなんだなと今日程思い知った日はない。何事かというと、今日中にB級に昇格すると大口叩いていた割にポイントが伸びず、あっけなく夕方になってしまったという話なわけで。
 基本的に戦闘は双方が了承しないと始めることができない。そしていくら相手が誰かわからないと言ってもポイントが高ければ高い程強者ということになり、4000ポイント近くいっていた私も相手からすれば例外ではない。つまりはハイリスクを冒してまで私と戦おうとする人はあまりいないということ。…いや、あまりというかほとんどいなかったんだけど。少し考えればわかったはずなのに、この後半の効率の悪さに気付いたのもついさっきの話で、今日中に〜とか言っていたのがほんとに恥ずかしい。あと2、3戦すれば正隊員になれるっていうのに……悔しい。
 そして私がブースから出てきたタイミングで何故か来た荒船先輩はニヤニヤしながら近付いてきて冒頭。

「勝負するか?C級隊員」
「……」
「そんな顔で睨むなって。だから言っただろ?急いでもいいことねんだよ」
「…でも今日は全部勝ちましたし」
「でもB級になれなかったじゃねーか」
「………ボーダーの制度に負けたんです」
「はいはい。それよりほら、お前連れて来いって言われてっから行くぞ」
「?どこにですか」
「鋼のとこ」

 もしかしたらまだやってるかもなーと言って荒船先輩が歩き出したのを急いで追いかけて歩き慣れない道を早足で歩く。こっちの部屋は……なんだっけ?そう思っていると察してくれた先輩がB級ランク戦をする場所だとざっくり教えてくれた。なるほど、村上先輩がランク戦中ということかと理解して案内されるままにロビーの椅子に座る。