友人Tの小話
僕が他人に与える印象は多分、女の子みたい…だと思う。
顔は母親に似たおかげで女顔だから余計そう見えるのだろう。
別にそう見えるんなら勝手に勘違いしてくれて良いとと僕はそう思っているし、言わせたい奴には言わせておけばいいと思っている。
中学でもそんな感じだったし、寄ってくる奴らは大抵面白半分でからかってくる奴ら。
だから僕には今まで友人と呼べる人間はいなかった。
高校でもどうせ同じだろうと思いながらクラスに入ると、窓際の一番後ろの席に座っている人と、その人の前の席に座っている殿内晶が僕の視界に入った。
最初はただの興味本位で近づいて、隣の席に腰掛けた。
彼女は本越しにスッと目線を上げて、そのままジーッ…と穴が開くんじゃないかというくらい殿内の事を凝視していた。
流石にそんなに見てたら気付かれちゃうよ…
なんて思っていたら、案の定気付かれてしまって
「何ジロジロ見てんだよ」
殿内のドスのきいた声で教室内がしーん…と静まりかえった。
彼女は自分が凝視していた事に今気がついたのか
「あ、ジロジロと見てしまってごめんなさい。
あなたの髪色が珍しくて、ついつい魅入ってしまって…とても綺麗な髪ですね
髪だけでなく顔も綺麗だな……」
嫌味とかではなく、心から思ってるんだろう……。しかも、最後のは絶対に心の声が口に出ちゃったんだろうな……
殿内は耳まで真っ赤に染めて、
「はぁ{emj_ip_0793}な、何言ってんの{emj_ip_0793}バカじゃないの{emj_ip_0793}」
と言って机に突っ伏した。
殿内のそんな表情を見た事のなかった僕は当然驚いたし、俄然隣に座っている彼女に興味が湧いた。
その光景に彼女が一人首を傾げているのを見て、隣からチョンチョンと控えめに袖を引っ張ってみた。
すると彼女はゆっくりと僕のほうを見て、いつの間に座ったんだ{emj_ip_0793}と言いたげに僕のことを見ていた。
僕はニッコリと笑って自己紹介をする
「初めまして、僕は立花 千尋って言います。宜しくお願いします。」
「初めまして、私は松田 葵 です。
こちらこそ宜しくお願いします。」
そう言って礼儀正しく頭を下げる松田さんに好感を持てた。
何か他に話題はないかと探したところ、彼女の読みかけの本に目が入った。
「それって、闇の男爵?実は僕も好きなんだ!」
「そうなんですか?私も闇の男爵は大好きで、いつも読んでますよ{emj_ip_0792}」
そう言って笑った松田さんは僕の話をしっかり聞いてくれるものだから、ついつい話が盛り上がってしまった
先ほどから視界に入る金髪こと殿内 がこちらをチラチラと見ている事に気付いた松田さんと僕。
そんな僕らが考えた事は多分同じで、お互いニッコリ笑うと殿内の肩をチョンチョンとつついた。
肩をチョンチョンとつつかれた殿内は、少し緊張しながら振り向き なによ… と呟いた。
自己紹介と松田さんが先程の事に対する謝罪をすると、
「べ、別に気にしてないから謝んなくて良い!
私は殿内 晶。宜しく。」
そう言って耳を赤く染めながら、目を伏せる殿内を見て、
なんだ、噂で聞いていたよりもだいぶ素直で可愛いいところもあるじゃん、そういう意味も込めてコッソリと笑い合うと
それに気づいて睨み付けられたが、全然怖くなかった。
これからの学校生活が楽しくなりそうだな、と予感しながら僕はまた笑った。
これが僕たち3人の最初の出会いだった。
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