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結局、スネイプに減点され事の発端のマルフォイに苛立ちを覚えるも、今の四人にはそんなことは関係なかった。ハグリッドが、うっかりフラメルの名前を漏らして以来、四人は本気でフラメルの名前を調べ続けていたのだ。
スネイプが何を盗もうとしていたのかを知るには、本を調べる以外に方法が無かった。
厄介なのは、フラメルが本に載る理由というものが分からなかったので、どこから探し始めてよいのかが分からないことだ。『二十世紀の偉大な魔法使い』にも載っておらず、『現代の著名な魔法使い』にも、『近代魔法界の主要な発見』、『魔法界における最近の進歩に関する研究』にも載っていなかった。図書館があまりにも大きいことも問題の一つである。何万冊もの蔵書、何千もの書棚、何百もの細い通路があった。
ハーマイオニーは、調べる予定の内容と表題のリストを取り出し、ロンは通路を大股に歩きながら、並べてある本を書棚から手当たり次第に引っ張り出す。ハリーとソフィアは、『閲覧禁止』の書棚になんとなく近付いた。もしかしたら、フラメルの名前はこの中に有るんじゃないだろうかと、ハリーはここしばらくそう考えていたのでした。
しかし残念ながら、そこの本を見るのには先生の署名入りの特別許可が必要になるのだが絶対に許可はもらえないということが分かっていたからだ。そこには、ホグワーツでは決して教えない強力な闇の魔法に関する本が置かれていて、上級生が『闇の魔術に対する上級防衛法』を勉強する時だけ読むことを許されていた。そしてこの日もやはり、ニコラス・フラメルに関する資料は見つからなかった。三人は昼食に向かった。
「私が家に帰っているあいだも探し続けるんでしょう?見つけたら、梟で知らせてね」
「君のほうは、家に帰ってフラメルについてご両親に聞いてみて。二人になら質問しても安全だろうから」
「ええ、安全よ。二人とも歯医者だから」
***
クリスマス休暇が始まり、ソフィアとハリーは図書館に籠ってしまう程、毎日毎日フラメルのことを調べ続けていた。ロンは休暇の楽しみにつられ、特に最近は『魔法使いのチェス』にはまっているらしく、たまに来るぐらいだ。夕食時、そんな彼らを不思議に思い出したウィーズリー家の兄弟。
「そんなに課題が大変なのかい?」
パーシーはハリーたちが図書館に籠るのは、課題を終らせようとしていると思っているらしい。一応、フラメルを調べていることは秘密にしているため、ハリーたちは「そうなんだよ」と肯定しておいた。
「だったら、ソフィアのはオレ等が手伝ってやるよ」
「だな、相棒」
ご飯を食べる時には、毎度のことながらフレッドとジョージがソフィアを挟んで座っている。そしてソフィアは双子の突然の思い付きに、振り回されることも多々あるのだ。しかし、今日ソフィアはそれすら覚悟して2人に頼み事を持ち出した。
「あ…あの、フレッド、ジョージ…ちょっといい?」
少し小声で話し出すソフィア。双子は「何?」と耳を澄ませて聞く。
「…その、男の子って…プレゼントを貰うとき、何が一番嬉しいの…?」
ソフィアの言葉に、最初は目を見開いたように驚いた双子も直ぐに表情は一変して、悪戯っ子のような顔をしていた。