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幸か不幸か、緑谷は地雷の爆発が起こす爆風を利用して先頭2人の下まで吹っ飛んでいく。
それを追い掛けるように爆豪も加速していき、轟も地面を凍らせながら走っていく。
後ろの人達の道になってしまうのは轟も分かっているだろう。

《さぁさぁ序盤の展開から誰が予想出来た!?今1番にスタジアムに還ってきたその男…》

この障害物競争において、利用できるものは全て利用する。緑谷もそうやって──

《緑谷出久の存在を!!》

地雷エリアを抜けるところでプレゼント・マイクの実況が耳に入った。緑谷が…1番。爆豪や轟を追い抜いて、1番だ。

《さあ続々とゴールインだ!順位等はあとでまとめるからとりあえずお疲れ!》

スタジアムに辿り着いても順位はまだ発表されないらしく、それまでの間少し休憩しようと他の人の邪魔にならないよう少し端の方で蹲み込んで静かに大きく深呼吸をした。

「デクくん…!すごいねえ!」
「この"個性"で遅れをとるとは…やはりまだまだだ僕…俺は…!」
「麗日さん、飯田くん」

そんな声がして、フッと振り返る。いつもの3人がそこに居た。何とも言えない安堵感と、そして何よりも久々に心臓の高鳴りが治まらない。
その高鳴りの原因である1人に思わず疲れなんて忘れて気づけば駆け寄っていた。

「出久くん」
「あ、静ちゃ、」
「出久くんに負けて、私、悔しい」
「え、」
「でも、凄い…っ、一位おめでとう、本当に見違えた…!」
「いや、その、」

素直に凄いと思った。同時に本当に悔しかった。そして何より見違えた。幼稚園小学校と一緒に居た彼がどれだけ力を付けて来たのだろう、と。どうやらこの第一種目では個性を使わなかったようだが、それでも凄かった。

▽▲▽

なんとか予選通過42位以内には入ることが出来た静。
第二種目、騎馬戦。第一種目を勝ち抜いた上位43名が2〜4人チームを組み騎馬を作る。
基本は通常の騎馬戦と同様だが、今回は第一種目通過の順位に伴いポイントが与えられ、騎手が持つチームの合計ポイントが書かれたハチマキを奪い合う。
最下位から5P、10P、15P・・・と増え1位に与えられるポイントはぶっ飛んで――1000万P。

「上位の奴ほど狙われちゃう―――…下克上サバイバルよ!!」

良い意味でも悪い意味でも一瞬にしてこの雄英体育祭会場全ての注目を攫ったのは、静の幼馴染。高らかに響き渡るミッドナイトの言葉なんてロクに耳に入って来なかった。

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