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飯田くんの言っていた通り、食堂は大いに込み合った。騒ぎ合っている者も居れば、食事が喉を通らないとか重々しい空気を纏っている者も居た。一方1年A組はといえば…至っていつも通りだ。3回戦行けなかった悔しい〜とか、大活躍だったねぇ!とか内容は大会の前半戦の反省みたいなものだけれど、女子組の雰囲気は至っていつもと変わらなかった。…上鳴と峰田から相澤先生の伝言を聞くまでは。

そして昼休憩は終了し、最終種目発表及びレクリエーションタイムである。
プレゼント・マイクが意気揚々と概要を説明する傍ら、悲しいかなスタジアムに明らかに異様な雰囲気を纏った女子集団が爆誕してしまっていた。

《ん?アリャ?どーしたA組!!?》

ババン!!!!とでも効果音がつきそうなほど傍目にはそれはもう堂々と可愛いらしいヘソ出しミニスカチアガール衣装を身にまとい両の手にご機嫌なポンポンを持った集団。そう、何を隠そう我らがヒーロー科1年A組の女子生徒7名であった。

そんな予定など微塵も聞いていなかった教師陣はもちろん隣のB組生徒にもウワ……という顔をされる始末である。当の本人たちの顔はその元気いっぱいな衣装に反比例して空より青い。

「峰田さん上鳴さん!!騙しましたわね!?」

怒りを隠せないままに八百万が叫ぶ。何故こんなことになったのかというと話は先刻まで遡るのだが、要するにすでにクラス内にて性欲の権化として頭角を現しはじめていた峰田とそれに悪ノリしたウェイウェイ男子上鳴の仕業だったのである。雄英体育祭ではこの昼休憩後のレクリエーションを盛り上げるため本場アメリカからチアガールたちを招いていたのだが、それを見た二人が八百万に「午後は女子全員ああやって応援合戦しなきゃいけないんだって」とけしかけたのだ。慌てた1ーA女子全員で八百万に作ってもらった衣装に袖を通したのだが。

「何故こうも峰田さんの策略にハマってしまうの私……」
「アホだろアイツら……」
「まァ本戦まで時間空くし張り詰めててもシンドイしさ……いいんじゃない!?やったろ!!」
「透ちゃん好きね」

予選も峰田の策略で彼に始終背中にくっつかれたままゴールしてしまった八百万は一層ドヨリと落ち込み、麗日はその背を優しくさすっている。耳郎は柄ではないのか半ばキレながらポンポンを床に叩きつけた。しかし気を取りなおすのが早かったのが葉隠で、それこそチア顔負けの機敏さでオラアアとポンポンを振り上げ盛り上がっている。
そして一方では、

「な、な、なんだあの可愛い子は!?」
「モデルか!?モデルでも呼んだのか!?」
「いや、戦場に舞い降りた女神だよ!!」

パシャパシャと恐ろしい程のフラッシュが静に降りかかっていた。
本人はショックと羞恥のあまり固まってしまっているが、観客席の者たちが何とかその姿を収めようとカメラを振り回しているのだ。

「うぉおおい、俺ら1ーAのマドンナを勝手に撮るんじゃねぇえ!」
「お前のせいだろ上鳴っ!!」
「ぎゃんっ!!」

耳郎の鉄槌が加えられたことはいうまでもない。

《さァさァ皆楽しく競えよレクリエーション!それが終われば最終種目!進出5チーム総勢18名からなるトーナメント形式!!》

悲しい事件を思い出に昇華できる者できない者にも平等に時は流れ、見上げれば大型ビジョンにトーナメント表の枠組みだけが映し出される。そう、最後の勝負こそ頼れるのは己のみ、一対一のガチバトルだ。

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