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『――誰よりも“トップヒーロー”を追い求め、もがいている。あれを見て“隙”と捉えたのなら、敵は浅はかであると私は考えております』
相澤は粗野な発言を引き出させるための明らかな挑発にも耐え、自分の教え子ために頭を下げた。その姿を静は目に焼き付け、爆豪に意識を向ける。
「ハッ、言ってくれるな……!そういうこったクソカス連合!!言っとくが、俺ァまだ戦闘許可解けてねぇぞ!!」
相手の目的は、自分を味方に引き入れることだ。拘束を解き対等に扱うと言ったことからも、奴らが爆豪を利用価値のある人間と判断し、穏便に話を進めようとしているのは明らか。静は個性が使えるとはいえ、彼女の疲弊した表情を見るにもう戦える力はあまり残ってはいない。それどころか立っているのも辛そうな様子だ。爆豪は彼女を守るかのように自分の後ろに下がらせた。
本気でやりあうつもりのない相手なら、自分の個性で二、三人はやれる――
「手を出すなよお前ら……こいつは……大切なコマだ」
低い、苛立ちのこもった震える声で死柄木はそう言った。爆破で落ちた掌を拾い上げ、ゆっくり顔に着け直す。
ふらりと爆豪に向かい合い、幾分落ち着いた声で言葉を続ける。
「出来れば少しは耳を傾けて欲しかったな……君とはわかり合えると思ってた……」
「ねぇわ!」
「仕方がない。ヒーロー達も調査を進めていると言っていた……悠長に説得してられない」
死柄木は爆豪に目を向けたまま、二歩、後退した。
「先生――力を貸せ」
『……良い判断だよ、死柄木弔』
ザザ、とかすかに砂嵐の音を鳴らすテレビの向こうから、“先生”という存在の声がした。死柄木が連合のトップだと思っていたが、まだ上に黒幕が潜んでいるのか。
「先生ぇ……?てめェがボスじゃねえのかよ、白けんな!」
「黒霧、コンプレス。そいつらまた眠らせてしまっておけ……ここまで人の話を聞かねーとは、逆に感心するぜ」
爆豪の雑な挑発には乗らないらしい。呆れたように言った死柄木に、爆豪はわざと嘲笑して見せた。
「聞いて欲しけりゃ、土下座して死ね!」
最大火力でぶっ飛ばしたい爆豪だが、ワープの敵が厄介である。幸い、爆豪たちの後ろにはドアがある。どうにかして隙を作ることさえできれば、逃げられる確率が上がるはず。するとまさかの、そこからコンコンッとノック音がして思わず振り返った。
「どーもォ、ピザーラ神野店ですー」
全員が突然のことに一瞬気を取られた瞬間、大きな衝撃がとともに、レンガ造りの壁が崩れ落ちた。
「もう逃げられんぞ敵連合……何故って!?」
それは平和の象徴。
「我々が、来た――!」
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