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一夜明け世間は騒然としていた。
ナンバーワンヒーロー、オールマイトが事実上のヒーロー活動引退を表明。警察とヒーローとで組まれた爆豪救出作戦でオールマイトは因縁の敵と激戦。その模様はテレビ中継で全国へ放送され、死闘の末勝利したオールマイトだったが、自身が隠し続けていた衝撃の真実、体力の限界が世間に露呈し、翌日には正式に引退を発表。日本は”平和の象徴”を失った。
他にも救出作戦に助力したベストジーニストも大ケガを負い、一命を取り留めたものの長期活動休止。プッシーキャッツがひとり、ラグドールは敵に拉致されており、救出作戦と同時に発見されたが個性を使用できなくなるという変調から活動の見合わせ。

そしてそれから日を追うごとに――市民の混乱は、“ヒーロー”への不信感と今後の社会に対する不安に変わってしまった。

▽▲▽

そして始まる、雄英での新生活……。雄英敷地内で校舎から徒歩五分の築三日、ハイツアライアンス。ここが、今日から私たちの家になる!

「とりあえず1年A組、無事にまた集まれて何よりだ」
「皆、許可降りたんだな」
「私は苦戦したよ……」
「フツー、そうだよね……」
「ふたりはガスで直接被害遭ってたもんね」
「無事で集まれたのは先生もよ……、会見を見た時はいなくなってしまうのかと思って、悲しかったの」
「……俺もびっくりさ、まァ……、いろいろあんだろうよ」

相澤はほんの少し何か考えた後、パチンと手を叩き生徒たちを自らに注目させた。

「さて、これから寮について軽く説明するが、その前にひとつ。当面は合宿で取る予定だった、仮免取得に向けて動いていく」
「そういやあったなそんな話!」
「いろいろ起きすぎて、頭から抜けてたわ……」

仮免許取得というワードに次々とくいついたA組一同に対して、相澤は騒がしくなる前に「いいか、大事な話だ」と、場の空気を変え、そのまま話を続ける。

「轟、切島、緑谷、八百万、飯田……、この五人はあの晩あの場所へ、爆豪と照己救出に赴いた」

この相澤の言葉に当事者達以外は驚き、その話の続きを待った。

「その様子だと、行く素ぶりは皆も把握してたワケだ。
いろいろ棚上げした上で言わせてもらうよ、オールマイトの引退が無けりゃ俺は、爆豪、耳郎、葉隠、照己以外全員除籍処分にしてる。
正規の手続きを踏み、正規の活躍をして信頼を取り戻してくれるとありがたい。以上!さっ!中に入るぞ、元気に行こう」
「「「(いや、待って行けないです……)」」」

そう言い残し、ひとりで寮に向かう相澤。場の空気はとてつもなく重くなってしまい、当然皆はそんな簡単には気持ちを切り替えられないようだった。

「あ、あの…わ、私、五人が助けに来てくれて…本当にうれしかったの」

この空気を作ってしまった元凶は自分にもあると、静はひとまずこの空気を必死になんとかしようとするが、自分の中でもうまく整理ができず、「だから、その、えっと……」と言葉をつまらせた。
ほどなくして、今まで黙っていた爆豪は舌打ちをして静の横を通り過ぎていき、上鳴の前立った。

「爆豪君……?」
「来い」
「え?何、やだ」

見かねた爆豪が上鳴の後ろ首を掴み近くの茂みの中へと連れ込んでいく。
皆何事かと見つめる先で上鳴の”電気”がバリバリバリと音と光を響かせ、オーバーショートした上鳴が間抜けヅラで現れると耳郎がブッフォ!と激しく吹きだした。

「うェいうェイうェうェうェイ!?」
「だめ……ウチ、この上鳴ツボッフォ!!」
「あはははは! ハー! ヒー!!」
「笑い過ぎだろ! ハハハハハ!」

クラスが上鳴のアホヅラに爆笑する中、爆豪は切島にお金をつき付けた。
それは爆豪救出の際に切島が用意し駄目にさせた暗視鏡の代金だった。

「いつまでもシミったれられっとこっちも気分悪ィんだ。いつもみてーに馬鹿晒せや」

助けられたとも足を引っ張ったとも思いたくない爆豪だが、これで切島たちが除籍されても、いつまでも引きずられるのも解せない。そんな爆豪の気持ちを汲んで切島も受け取った。普段ならこんな生徒たちの馬鹿騒ぎも許さない相澤だったけど、茶番も時には必要かと見過ごした。
その様子を見た静は一瞬キョトンとしたが、爆豪なりの行動だったのだと直ぐに分かった。

静や爆豪、そして犠牲になった上鳴のおかげでなんとか気持ちを切り替えたA組一同は、切島の提案で焼肉をしようと騒ぎながら、ようやく寮の中へと入った。

「1棟1クラス、右が女子寮左が男子寮と分かれてる、ただし一回は共同スペースだ。食堂や風呂……、洗濯などはここで」

中に入ると、学生寮とは思えないほど素敵な空間が広がっていた。
部屋は二階から一フロアに、男女各四部屋の五回建て。ひとり一部屋、エアコン、トイレ冷蔵庫にクローゼット付きの贅沢空間。そして、部屋割りはもう決まってて、事前に送った荷物がもう部屋に入ってるとのこと。
静の部屋は5階、蛙吹の隣だった。

「とりあえず今日は部屋作ってろ、明日また今後の動きを説明する。以上、解散!」
「「「ハイ、先生!!!」」」

相澤からの指示で、生徒たちはすぐに自分の部屋に向かい作業を始めた。

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