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「何やってるのよ…まぁ、聞かなくても見当はつくけど」
「ティオネ……」
騒ぎを聞きつけたのか、ティオナと同じアマゾネスの少女がアイズの隣に並ぶ。
ティオナの姉妹、双子の姉でもあるティオネだ。
「アイズ、団長との話は終わったの?」
「うん、でもまだ話し合ってた」
「そう…でも逆にチャンスかもしれないわね。
そんなに忙しいならテントを設置してるヒマもなさそうだし」
「ティオネ?そのちっちゃいテントって……」
「もちろん。私と団長専用よ」
ぐふふっと笑うティオネ。それを冷ややかな目で見ていたソフィアが口を開いた。
「…貴女みたいな巨体が一緒だと潰されるに決まってる。同じ小人族(パルゥム)なら平気でしょうけど」
何故か小人族(パルゥム)の部分を強調するソフィア。
まるでアマゾネスの貴女と違って自分は許されるのよ、とでも言うかのように。
しかしそれに黙っているティオネでもなく。
「あら〜?何か聞こえたかしらァ?」
「フン…」
双方とも睨み合っている。
どこからともなくゴゴゴゴゴと地響きが鳴り響き、両者の瞳から電撃が走っているようだ。
「じゃあ、私行くから、おジャマ虫は近寄らないこと。見つけたら叩きつぶしちゃうから」
「団長なら本営でザコ寝っすよ」
通りがかった男性の団員がティオネにそう告げる。
「何ですってぇ?」
「おっ男はみんな本営で交代でって決まったんすよ!!」
男性の団員は頭を鷲掴みにされる。
「団長ぉ〜〜〜」
「……バカ」
***
「コラ!遊んでんじゃねーぞ!」
「痛っ!!」
布団に顔を埋めるレフィーヤをアマゾネスの怪力で抱き上げていたティオナの腰を後ろから蹴り飛ばしたものがいた。
蹴り飛ばされた二人は前に転んでしまう。
「ちょっと何すんの!?
すっごく痛かったんだけどー!?」
「あ゛ぁ!?てめーらがちんたら遊んでんのがわりーんだろ!!」
いつの間に現れたのか、頭上に獣耳、腰から尻尾を生やす獣人の青年が半眼を作っている。
鋭い毛並みを持つその耳と尾は、狼人のものだ。
「そんなこと言って
どーせベートはアイズにちょっかい出しに来ただけでしょ、この格好付けー!!」
サッと、ティオナはアイズの背後に回り、彼女の両肩に両手を置いてベートに言い放つ。
「なってめっ……!!」
「やーい図星ぃーっ!残念狼ぃー!!」
「クソ女ぁああああああああああああああああ!?」
「アイズに相手にされてないって気づけバーカ」
「てめっ!!刻んでメシ鍋にぶち込んでやる!!」
ベートはいきりたち、ティオナに襲いかかるがティオナはサラリと回避する。
「あ、あの、お二人とも喧嘩は……!?」
あっという間に発展した激しい言い争い――ベートとティオナに、レフィーヤがおろおろと仲裁を試みる。